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F1の「消えた悪童」マゼピンは今何してる? ロシア国内ラリーで優勝、金メダリストとビーチバレーも…本人は「まだまだドライブに夢中」
posted2022/08/14 11:03
text by
万葉了Ryo Bamba
photograph by
SPUTNIK/JIJI PRESS
大富豪の御曹司でありトラブルメーカー
ウクライナ侵攻をきっかけにF1の世界から離れたマゼピンだが、そもそも彼がF1ドライバーとなれたのは父の存在が大きい。父・ドミトリーはロシアでは指折りの実業家で、現在は国内最大の肥料製造会社ウラルカリの会長。米フォーブズ誌の世界長者番付によると、総資産は13億ドル(2015年時点)にも上る大富豪だ。F1参入への野心も持っていた父・ドミトリーの資金力を背景にF3、F2とステージを駆け上がり、2021年ハースから22歳でF1デビューを果たした。
ただ、デビューしたマゼピンが注目を集めたのは、その活躍ではなく、“問題行動”によるものだった。
昨年9月の第15戦ロシア・グランプリの決勝レース。直線で後ろを走っていたアルファタウリの角田裕毅に過度な幅寄せをし、角田は急ブレーキで回避。この行為にスチュワードから警告を受け、他のレーサーからも非難が殺到した。
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当の本人はモータースポーツ専門メディア『THE RACE』に「その場面についてはよくわからない」とあいまいな回答。以前に戦った経験のあるウィリアムズのニコラス・ラティフィは「彼はいつもギリギリでラインを変更してくる。もっとも、それが彼のスタイルといえばそうだが」と苦言を呈した。
チーム代表は「嫌な奴ではない」
その他にも幾度となく他車の走行妨害で物議を醸していたマゼピンだが、トラブルはサーキット内にとどまらない。プライベートで車に同乗していた女性の胸を触る動画をインスタグラムに投稿した際には、批判のコメントが相次いだ。すぐに削除されたが、チームが「忌まわしい事態だ」と声明を出す事態に発展した。