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「大谷の球数を増やすために…」敵軍監督が明かす“なぜ大谷翔平を攻略できた?” 対戦投手は記者に告げた「覚えておいて欲しいことがある」
posted2022/08/08 17:02
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
夏の珍事が続いている。
4日に行われた本拠地のアスレチックス戦で大谷は23、24号本塁打を放ち今季5度目の1試合2発を記録した。大谷だけでなく、スズキ、ウォード、アデル、ウオルシュ、モニアクもアーチをかける華々しい攻撃。いずれもソロ本塁打ではあったが1試合7本のソロ本塁打は大リーグタイ記録となった。
だがその一方でソロ本塁打7本以外の得点はなかった。この記録は1900年以降の近代野球では史上初。7本塁打を放ちながらの敗戦は大リーグ史上6度目、エンゼルスとしては球団史上初のおまけ付き。試合後、フィル・ネビン監督代行は言った。
「ソロ本塁打を7本打てば勝てるとも思うが、うまくはいかなかった」
エンゼルスの野球に感じる“虚しさ”
ところ変わって翌日はシアトルでのマリナーズ戦。「2番・DH」の大谷は一転して今季初の1試合4三振。「1番・右翼」のウォードも3三振でチームはトータル13三振を喫した。それでも延長10回の末にチームは4−3で勝利。監督代行は苦笑した。
「昨日は7本塁打を放っても負け。今日はウォードとショー(大谷)で7三振しても勝った。つまり、これが野球なんだ」
確かにその通りだが、代行とは言え、一軍の将の発言としては、なんともさみしい。ポストシーズンに遠く及ばない現状でも、来季以降につながる野球とは何なのか。何をすべきなのか。策はあるのか。目的意識が伝わらないエンゼルスの野球に虚しさを感じる。
それは3戦連続で「二桁勝利」を逃した大谷登板時も同じだった。後半戦が始まった7月22日のブレーブス戦から大谷が先発した直近3試合で、登板中の援護点は18イニングで1点しかない。たとえ、結果に繋がらなくとも、逆方向への打撃、狙い球、待球策などチーム全体でのアプローチがあれば何かが見えてくる。だが、それも感じられない。投打二刀流で奮闘する大谷は自分が打てなかったことが敗因と唇を噛む。