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甲子園出場の経費は2000万円!? ケタ違いでも学校・地域が“高校野球の経済効果”に力を入れるワケ〈昔は池田・箕島、今は21世紀枠〉 

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手束仁

手束仁Jin Teduka

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posted2022/08/07 11:02

甲子園出場の経費は2000万円!? ケタ違いでも学校・地域が“高校野球の経済効果”に力を入れるワケ〈昔は池田・箕島、今は21世紀枠〉<Number Web> photograph by JIJI PRESS

春夏連覇などで甲子園を沸かせた箕島高校。このような公立校にとっては「町おこし」の一面もある

 ことに今の時代では、小さなことでもすぐにネットなどで拡散されていく。それが場合によっては、とてつもない影響力を与えてしまうことになるからだ。もっと言えば、影響力があるからこそ、私学経営の方向性としては、より高校野球に力を入れていきたくなるのである。

 もちろん、スポーツで名を上げていくということは、野球に限ったことではない。だけど、後述するが高校野球の場合は、歴史的背景も含めてメディアとの関わりは他のスポーツよりも圧倒的に強い。メディアを通してより影響力が高くなっているというのは、揺るぎない現実なのである。そういう意味では、甲子園出場を果たせば、学校の宣伝効果としては計り知れないものになる。

池田、箕島も“町おこし”に一役買った

 さらに言えば、地元が盛り上がることで、地域では“町おこし”という点からも大いなる効果がある。これは、何も私学に限ったことではない。むしろ、地場に根差している公立校の方が影響は大きい。

 広義で言えば、そのまま新たな産業にもつながっていくくらいの影響力がある。歴史的に見ても、70~80年代に甲子園で一時代を築いた徳島県の池田、和歌山県の箕島(有田市)などは顕著な例といっていいであろう。

 池田の場合は、徳島県の観光スポットの一つとして紹介されるようになったくらいだ。箕島も、まず「みのしま」と読んでもらえるようになったこと。そして、地域のメイン産業の一つである有田みかんが、全国的に有名になっていったということもあった。スーパーの売り場には、「箕島の選手も食べた“有田みかん”」などと書かれていたところもあったくらいだ。

 これらの例でも見られるように、甲子園で地場に根差した学校が活躍すればするほど、地域は活性化していく。

 2001(平成13)年には時代も21世紀となり、「21世紀枠代表校」が選出されるようになった。その選出要素の一つとしては、「地域貢献」や「困難克服」ということも尊重されている。そうなると、勢い過疎地や自然災害で被災からの復興という活動も重んじられていく。21世紀枠の選出に関して、否定的な見方をするファンなども少なからず存在しているが、高校野球の存在意義とその活動目的を鑑みれば、推薦要素も含めて意味は十分にあるものと考えられる。

21世紀枠も地域の文化経済発展に貢献している

 ことに今の時代では、少人数ながらも創意工夫を凝らして活動している学校や、少ない予算を上手に工面しながら活動していくことも、「困難克服」の要素としては評価されよう。そして、応援ツアーなども含めて、地域の活性化と経済活動の要因としても意味はあると言える。

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