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〈高校野球の部費事情〉私立校は学校支給額30~300万、公立校だと70万円~ゼロのところも…100校アンケートで見えるリアルな価格差

posted2022/08/07 11:01

 
〈高校野球の部費事情〉私立校は学校支給額30~300万、公立校だと70万円~ゼロのところも…100校アンケートで見えるリアルな価格差<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

高校野球の最新マネー事情はどうなっている?(写真はイメージです)

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手束仁

手束仁Jin Teduka

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104回目を迎えた夏の甲子園。47都道府県の代表校が白球を追う熱い闘いを見せる中、近年の高校野球部は“金銭面”でどんな運営をしているのか。高校野球取材豊富なライターが記した『令和の高校野球 最新マネー事情』(竹書房)より一部転載します(全3回の2回目/#1#3も)
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 今回、本作品を執筆するにあたって、全国的な強豪校も含む百校ほどにお願いして、「野球部活動としての経費等に関して、可能な限りで構わないので具体的な数字や現状を教えていただきたい」ということで、アンケートを依頼してみた。

 もちろん、全国で3700校前後の高校に野球部が存在していて、そのすべてに依頼することは物理的にも不可能である。また、学校等の事情や方針によって、公表することはできないというところもあった。それでも、回答をいただけた中で、具体的に紹介しても大丈夫という学校を、あくまでそれぞれの参考例ということで紹介させていただくことにした。

 アンケートに関しては、経済的な要素として【部費と経費について】という項目と、【遠征、合宿等について】という項目で回答をいただいた。そのいくつかを参考までに紹介していこう。

私立の場合、部費としての予算幅がかなり広い

 もっともアンケートについては、それぞれ依頼した時期にも差異があり、金額や部員数等の数字についてはその当時のままとなっている。

 また、学校予算として部費としての配分と生徒会予算との二本立てのところや、東京都のように別途自律系活動予算(頑張っていると判断された部活動や生徒会活動などに割り当てられる別途予算)として配分されるというケースもある。私立と公立でも状況は異なるであろうし、学校のあり方や方針によって事情は各校さまざまであることを最初に断っておく。

【部費と経費について】(アンケートからピックアップ=部員数、金額はアンケート実施時の数字)
★学校からの部費としての支給額★
〈私立校の例〉
約2~300万(私立・愛知啓成=部員数101人)
280万(私立・明豊=部員数96人)
200万(私立・健大高崎=部員数96人)
150万(私立・国士舘=部員数104人)
130万(私立・三重海星=部員数87人)
130万(私立・履正社=部員数75人)
100万(私立・中京大中京=部員数99人)
100万(私立・東海大菅生=部員数103人)
約100万(私立・専修大附=部員数50人)
70万(私立・愛産大三河=部員数58人)
55万(私立・大森学園=部員数65人)
54万(私立・立教池袋=部員数35人)
50万(私立・愛知桜丘=部員数57人)
50万(私立・城西大城西=部員数43人)
約50万円(私立・二松学舎大附=部員数66人)※定額ではなく必要に応じて請求
40万(私立・創成館=部員数126人)
40万(私立・加藤学園=部員数48人)
40万(私立・安田学園=部員数60人)
40万(私立・専修大松戸)※生徒会費として支給。その他必要に応じて
30万(私立・藤枝明誠=部員数69人)

 私立校の場合、学校によって部費としての予算幅がかなり広いことがわかる。

【次ページ】 公立校で100万円を超える学校はなかった

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