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有望球児は中学から“進学塾”状態、ヘルメット1つで8000~1万円、体育着OKの公立校…意外と知らない「高校野球の最新マネー事情」 

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手束仁

手束仁Jin Teduka

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posted2022/08/07 11:00

有望球児は中学から“進学塾”状態、ヘルメット1つで8000~1万円、体育着OKの公立校…意外と知らない「高校野球の最新マネー事情」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

高校野球の最新マネー事情はどうなっている?(写真はイメージです)

 [表1]に高校硬式野球用具の価格目安を示したので、参考にしていただきたい。

 スパイクに関しては、やはり消耗品という考え方になる。そうなると、1足の耐久寿命も考慮しなくてはならない。一般的な野球部としては、平日の練習は1日3時間程度。週末の土日は対外試合というパターンだ。そして、12月から3月第1週目までは対外試合は禁止となっているので、土日も通常練習ということになる。

 現在は、平日練習のうち1日は、自主練習もしくは休養日としているところもある。また、週1日はスパイクシューズを使用しない日を決めているというところもある。そうなってくると、アップシューズの使用頻度も増えてくるが、おおよそアップシューズとスパイクとの使い分けをしていくと考えると、耐久寿命はほぼ1年くらいだという。そうすると、高校3年間で3足ずつ消費していくということになる。

 ただ、合宿所を併設している学校で、強化部として指定されているようなところでは、練習時間はそれ以上である。極端に言ってしまえば、授業時間以外はほぼ野球の時間ということになっている。午後の練習は授業後から、夜の8時~9時頃までというところも少なくないであろう。そうなると、スパイクを使用している時間は長くなり、その分消耗も激しい。ことに、ポジションとしては内野手だとスパイクの消耗がより激しいと言われている。

 だから、チームによっては練習用スパイクと試合用スパイクの併用を推奨しているところもある。練習用スパイクは少し安価なものを選択するのであろうが、耐久寿命も半年ほどということになる。ことに夏休みの練習などは、より使用頻度が高くなっていくので、その分だけスパイクも消耗していく。

強豪校とスポーツ用品店の“関係性”も

 もっとも強豪校になれば、必ずと言っていいほど地域のスポーツ用品店やメーカーの担当者が出入りしている。そして担当者も高校野球経験者が多く、学校とも長年の付き合いがあるというケースが多い。したがって、ある程度まとまった購入数があれば、価格的にもかなり融通が利くということもある。

 このあたりは、監督や部長(責任教師)などチームのスタッフと、スポーツ用品店の担当者との関係性なども大いに影響してくることであろう。まして、担当者がその学校の出身者だったり、指導者の同窓だったりすれば、体育会的な考え方も含めて、損にならない限りはチームに尽力していきたいという思いも発生してくるであろう。

 そして、チームとしてはそんな貸借関係があって、甲子園出場などを果たした場合には、お互いにその恩恵を授かることもある。業者としては、ユニフォームの新調やスパイクの新調などで、大量受注ができるというケースもあろう。一方、部としても他にノベルティなどを寄贈してもらえるということもあるのだ。

◇ ◇ ◇

 第2回、第3回では「公立校と私学の具体的な部費」、「1回の甲子園に出場する際の支出額」などについて取り上げていく。<#2、#3につづく>

#2に続く〈高校野球の部費事情〉私立校は学校支給額30~300万、公立校だと70万円~ゼロのところも…100校アンケートで見えるリアルな価格差

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