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セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
悪童ロマーリオが副議長、ミランの得点源は大統領、なぜ“日韓W杯トルコの英雄”は国会議員→米国に亡命?〈元サッカー選手政治家の明暗〉
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph bySports Graphic Number(L,R)/Getty Images
posted2022/07/09 17:02
ロマーリオ、ウェア、ハカン・シュクル。各国を代表するストライカーは政治家転身してどうなった?
サッカーの世界では、規模の大小を問わずクラブ組織が地元自治体と密接な関係を築き、地域社会とつながることで存在が成立するという考えが根底にある。
翻って、代表チームに選ばれるような選手たちには、「国」とは何か、「国民」とは何か、国家観を自らに問う機会が若い時分から必然と育まれることだろう。
国の未来を憂うのみにとどまらず、自ら奮い立つことができるのは、己の脚1本で禄を食んできたプロならでは、ということもいえる。
トンマージ市長「重要なのは足元の……」
イタリアの古都ベローナの新市長に当選したばかりの元代表MFダミアーノ・トンマージは、まだ国政挑戦の意思を表明したことはない。「重要なのは足元の市政を始めるこれから」と慎重に説く。
街の再興のために、彼が掲げる政策の目玉は教育や医療の充実、そしてスポーツ振興だ。街のスタジアム「ベンテゴーディ」の近代化改修を期待する古巣のベローナFC始め、各種競技のクラブ代表たちはこぞって新市長を歓迎している。
2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のベースキャンプ地招致と準備も視野に入れつつ、トンマージ新市長の挑戦は始まる。<#1からつづく>