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ヤクルト1000並みに株が爆上がり「交流戦優勝スワローズ」の総合力 MVP村上宗隆は当然だけど…リリーフ陣の成績も凄まじい
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2022/06/14 17:01
4年ぶり2度目の交流戦優勝を果たした東京ヤクルトスワローズ
〈ヤクルト7勝 ロッテ5勝 DeNA5勝 巨人5勝 オリックス4勝 広島3勝 阪神2勝 中日2勝 ソフトバンク2勝〉
楽天、日本ハム、西武は1つもなかった。このあたりがパ負け越しの一因かもしれない。
続いては交流戦の個人成績を見ていこう。RCは安打、本塁打、盗塁、三振、四死球など打撃の総合指標である。
村上宗隆(ヤ)57打20安6本13点2盗 率.351 RC18.68
塩見泰隆(ヤ)75打23安5本11点6盗 率.307 RC16.97
大山悠輔(神)66打21安7本21点0盗 率.318 RC16.15
杉本裕太郎(オ)69打27安3本10点1盗 率.391 RC16.12
丸佳浩(巨)67打21安5本9点2盗 率.313 RC15.04
山川穂高(西)59打15安6本10点 率.254 RC14.61
松本剛(日)73打25安2本13点2盗 率.343 RC13.731
ウォーカー(巨)71打21安5本11点2盗 率.296 RC13.66
佐野恵太(De)75打25安4本13点 率.333 RC13.63
牧原大成(ソ)60打23安2本10点3盗 率.383 RC13.12
ヤクルトの不動の4番打者、村上とリードオフマンの塩見が1、2位を占めている。この2人は、交流戦の打撃タイトルはとっていない。首位打者はオリックスの杉本(.391)、本塁打と打点は阪神の大山(7本21点)、盗塁はロッテの高部瑛斗(8盗塁)だった。
しかし得点を生み出す総合力であるRC(Run Creates)で見れば2人の貢献度は抜きんでていた。村上は18四球、出塁率は実に.507とダントツの数字。パの投手陣がいかに村上を恐れていたかがわかるし、往年の王貞治をほうふつとさせる。
内山・中村・川端・坂口が存在感を示した
ヤクルトでは、他に山田哲人(5本7点0盗、率.153RC7.63)、オスナ(2本7点0盗、率.290RC6.49)、山崎晃大朗(1本7点4盗、率.232RC4.96)、長岡秀樹(0本10点0盗 率.242 RC4.44)が規定打席に達したものの、それほど数字は良くない。むしろヤクルトでは規定打席未達でめぼしい活躍をした選手がいた。
内山壮真24打8安1本5点0盗 率.333 RC5.48
中村悠平47打12安0本4点0盗 率.255 RC1.92
川端慎吾13打4安0本2点0盗 率.308 RC1.60
坂口智隆7打3安0本1点0盗 率.429 RC1.90
高卒2年目の捕手、内山は故障で出遅れた中村悠平の穴を埋めて打撃でも活躍。復帰した中村も打撃好調で、捕手が打線でも存在感を発揮した。
また代打の切り札・川端は6月8日のオリックス戦と10日のソフトバンク戦で先発起用され、ソフトバンク戦では2安打の活躍だった。さらに「近鉄戦士」最後の1人となった坂口は6月9日に今季初めて登録されると2試合で3安打し存在感を示した。
高津監督はスポットでの選手起用に長けていた。それもリードオフマン塩見、中軸の村上が交流戦期間を通じてチームを引っ張った前提があってのことだが、活気のある打線だったと言えよう。
先発投手では小川・高橋が奮闘している
続いては投手の成績。※PRはリーグ防御率に基づく総合指標
加藤貴之(日)4登1勝26回 責0率0.00PR8.44
青柳晃洋(神)3登3勝23.2回 責0率0.00PR8.36
ガンケル(神)3登2勝22.1回 責2率0.81PR5.89
大野雄大(中)3登1勝1敗25回 責3率1.08PR5.83
西勇輝(神)3登2勝1敗19回 責1率0.47PR5.71
今永昇太(De)3登2勝21回 責2率0.86PR5.42
小川泰弘(ヤ)3登2勝22.2回 責3率1.19PR5.00
高橋奎二(ヤ)3登2勝22回 責3率1.23PR4.77
レイ(ソ)3登2勝1敗20回 責2率0.90PR4.49
戸郷翔征(巨)3登2勝1敗24回 責4率1.50PR4.48
1位は最終週に2試合先発した日本ハムの加藤。以下阪神の選手が上位に来ている。阪神の交流戦での活躍は先発投手に負うところが多かった。