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球団から選手に“通達”「1日1本、ヤクルト1000を飲むように」スワローズ戦士は飲み放題…入手困難の解消は“シーズン終盤の秋”!?
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNaoya Sanuki
posted2022/06/08 11:01
現在セ・リーグ首位を走り、連覇を目指すスワローズ。数年前までの低迷期から一転、V字回復を果たした陰には、実は「ヤクルト1000」の影響も大きい
クラブハウスの入口近くには冷蔵ケースがあり、中にはヤクルト製品の飲料がそろっている。ペットボトルのお茶やスポーツドリンクの他、「ヤクルト」や「ミルミル」など乳酸菌飲料も豊富で、そこにはもちろんあの「ヤクルト1000」もズラリと並んでいる。
選手たちはそこから思い思いにドリンクを取るのだが、特に体調管理が最重要となったコロナ禍以降は、全選手に「1日1本、ヤクルト1000を飲むように」と球団から“お達し”が出ているとか。同じように若手選手が過ごす二軍戸田寮の食堂にも「ヤクルト1000」が常備され、寮生は朝や晩に、欠かさず飲んでいるという。
ある中堅選手「よくわからないけど毎日飲んでますよ」
緊急事態宣言下では、全選手やスタッフとその家族を含め、各家へ宅配される「ヤクルト1000」に関しては、領収書を球団に持参すると全額返金するシステムの“現物支給”もとっていたが、今は行われていない。「免疫力を高める?とか、健康のため。よくわからないけど毎日飲んでますよ」とある中堅野手。お宝飲み放題の環境は、乳酸菌マニアには垂涎(?)だろう。
現在セ・リーグ首位を走り、1992、93年以来の29年ぶりとなる連覇を目指すスワローズ。数年前までの低迷期から一転、V字回復を果たした陰には、実はこの「ヤクルト1000」の影響も大きい。2019年10月に発売された同商品をはじめとした乳酸菌飲料は、折からの「腸活ブーム」に乗って売上増。コロナ禍で大打撃を受ける他業種を横目に、親会社のヤクルトは好況を維持した。
入手困難な状況はいつまで?
2年連続最下位に終わった20年のオフには、山田哲人内野手をはじめとした主力4選手のFA残留や大型契約で「総額60億円」とも言われた補強費を捻出。そのかいあって昨シーズンは20年ぶりの日本一を果たした。コロナ禍で入場料収入などは大打撃を受け、球団自体の経営は苦しい一方で、主砲の村上宗隆内野手ら活躍を続ける選手たちの右肩上がりの年俸を支えるにあたっても、親会社の好況は心強い限りなのだ。
前述のヤクルトレディの話では、入手困難な状況が元に戻るのは「秋くらい」とのこと。爆売れブームが落ち着いたころに、スワローズ連覇の歓喜が待っているかどうか――。
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