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「お前が監督か。他におらんのか?」野村克也がヤクルト高津監督に贈った“最後の金言”「野村監督の言葉はいつも答えではなく問いでした」

posted2022/03/24 17:04

 
「お前が監督か。他におらんのか?」野村克也がヤクルト高津監督に贈った“最後の金言”「野村監督の言葉はいつも答えではなく問いでした」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

1995年、高津臣吾(現ヤクルト監督)とがっちりと握手をする故・野村克也監督。高津がクローザーとして覚醒した背景には、野村監督の「問い」があった

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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JIJI PRESS

3月25日のプロ野球開幕に合わせて、ヤクルト・高津臣吾監督が野村克也さんについて語った雑誌『Number PLUS』の記事を特別にWeb公開します。<初出:Sports Graphic Number PLUS July 2020(2020年6月25日発売)、肩書などすべて当時>

 かつてのチームメイトの誰もが言っていることだけど、野村(克也)監督に褒められた記憶はないですね。照れ屋だったからなのか、それとも「むやみに褒める必要はない」という考えだったからなのかはわからないけど、「お前がいたから助かったよ」とか「よくやってくれたな」という言葉はまったくなかったですね(笑)。

 でも、それが当たり前だと思っていたので、「褒められたい」と感じたことはなかったです。ある選手は「もっと褒めてほしいです」って直訴していましたけどね。

 それよりも、僕が印象に残っているのは試合が終わってベンチに戻ったときにかけられる「サンキュー」とか「ありがとう」という言葉かな? バッターの抑え方や、相手チーム対策などの具体的なアドバイスはもちろんたくさんいただきました。でも、試合後の「サンキュー」という何気ないひと言が何よりも嬉しかったですね。この言葉に勇気づけられたし、「次も頑張ろう」というモチベーションにもなりました。

 選手たちに直接言わない代わりに、マスコミを使って、監督は自分の意思を伝えていましたけど、ほぼ叱られてばかりでしたよね(笑)。それについても、僕自身はそういうものだと割り切っていました。

野村克也の至言「監督とは気づかせ屋だ」

 野村監督は常々、「監督とは気づかせ屋だ」とおっしゃっていました。現在、自分も監督という立場になって痛感するのは、選手に対して答えを提示してあげることは、意外と簡単だということ。でも、それだと本当の実力は身につかない。課題を克服して技術を自分のものとするためには、与えられた答えではなく、何度も挑戦して自分で見つけた答えでなければダメなんです。

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