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「もう試合は終わりと分からせる」巨人の守護神・大勢が“もっと相手を威圧できる”方法とは?《昨年の広島・栗林以上のペースでセーブを記録中》

posted2022/05/30 17:03

 
「もう試合は終わりと分からせる」巨人の守護神・大勢が“もっと相手を威圧できる”方法とは?《昨年の広島・栗林以上のペースでセーブを記録中》<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

9回を抑え、吠える大勢。ルーキーにして絶対的な守護神の座に就いている

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Nanae Suzuki

 2000年代にニューヨーク・ヤンキースに所属していた松井秀喜さんの取材のため、新旧ヤンキースタジアムや他のメジャーの球場で多くの試合を観戦した。

 ヤンキースタジアムをはじめとして、ほぼすべてのスタジアムは天然芝のオープンエア環境で、巨大なビジョンと大音響で試合を演出する。すべてが小ぢんまりとまとまっている日本の野球場に慣れていただけに、そんなメジャースタイルのスタジアム観戦は、鳥肌の連続だったのを覚えている。

 そんな中でヤンキースタジアムで最も感動する場面は、当時のヤンキースの絶対的クローザーだったマリアノ・リベラ投手の登場シーンだった。

 9回にヤンキースがリードしていると、厳かに場内にリベラの登場曲、メタリカの「エンター・サンドマン」のイントロが流れ出す。ギターの最初のフレーズが流れただけで、スタンドのファンはリベラの登場を察知して大歓声がスタジアムを包む。そこに颯爽と外野のブルペンから背番号42の右腕が軽いジョグで出てくると、その姿に被せるように御年90歳を超えていた大ベテラン場内アナウンサー、ボブ・シェパードの投手交代のアナウンスが響くのだ。

もう一つ、違う“効果”を狙っていた

 しわがれているがどこか深みのあるシェパードのアナウンスが球場に響き渡ると、ファンのボルテージはさらに一段と上がっていく。

 実はこうした演出はスーパー・クローザーが全盛だった1990年代から2000年代のメジャーリーグでは、ヤンキースだけではなく、他球団でも盛んに使われた手法である。

 ポイントは印象深い登場曲だった。

 サンディエゴ・パドレス(当時/以下同)のトレバー・ホフマンは荘厳な鐘の音で始まるAC/DCの「ヘルズ・ベルズ」、ロサンゼルス・ドジャースのエリック・ガニエはガンズ・アンド・ローゼズの「ウエルカム・トゥ・ザ・ジャングル」を使っていた。またボストン・レッドソックスのジョナサン・パペルボンが使ったXの「ワイルド・シングス」は映画「メジャーリーグ」でクローザー役を務めたチャーリー・シーンの登板シーンでも登場曲として使われている。

 どの曲もイントロに特長があり、冒頭のワンフレーズが流れるだけで、守護神登場を告知できる。こうした演出はもちろんファンサービスの一環だったが、もう一つ、違う“効果”を狙ったものだともヤンキース番の現地記者から聞いたことがある。

【次ページ】 「マリアノが出てきてスタジアム全体で相手を威圧して」

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