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羽生善治九段(51歳)歴代1位の連続記録がこんなに…あらためて調べたらスゴかった「それでも更新不可能そうな大山康晴の大記録とは?」 

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相崎修司

相崎修司Shuji Sagasaki

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posted2022/04/21 11:03

羽生善治九段(51歳)歴代1位の連続記録がこんなに…あらためて調べたらスゴかった「それでも更新不可能そうな大山康晴の大記録とは?」<Number Web> photograph by KYODO

羽生善治九段。1985年に四段昇段。1993年から29年間、A級に在籍。今年度は30期ぶりにB級1組で指す

 まず浮かぶのが、同一タイトル連続獲得及び、同一タイトル戦連続出場だ。王座戦の19期、26年がそれだが、第2位の大山(名人戦における13期、21年)を大きく引き離している。王座戦では同一タイトル戦の番勝負における最多連勝19(04年の第52期第4局から10年の第58期第3局まで)というのもあり、タイトル戦という舞台でこれほどまで負けなかったのはさすがというしかない。こちらは2位も羽生で、棋王戦の16連勝(92年の第18期第4局から97年の第23期第2局まで)となる。

 A級のようにトップクラスへ連続在位となると、竜王1組(竜王在位含む)の連続30期がある。92年の第5期に、2組優勝から挑戦権を獲得して竜王奪取。それから現在に至るまで羽生は1組から落ちたことがない。現在進行中の第35期でも1組以上は確定している。

 また、王位リーグの連続記録(王位在位含む)も特筆すべきだ。羽生は初めてリーグ入りした93年の第34期から、現在に至るまで一度も王位リーグ陥落を経験していない。6名中4名(紅白2リーグなので12名中8名)が落ちるリーグに30年連続でいるのはとんでもないことだ。2位は中原の17年で、大きく引き離している。

 同じく挑戦者決定リーグがある王将リーグに関しては24期連続で、こちらは大山の26期がわずかに上を行く。

 そして、羽生は何かのタイトルを27年間(1991~2018)、持ち続けていた。この記録の第2位は渡辺明名人の18年間(04~継続中)だが、渡辺、そして藤井はどこまで近づけるだろうか。

<藤井編へ続く>

◆◆◆

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#2に続く
藤井聡太竜王「12敗」の研究(昨年度も驚きの勝率0.813)…では“4強”相手の勝率は? そもそも四段昇段の平均年齢が22歳なのに…

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