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エフフォーリアの“敗因”は謎のまま? なぜ大阪杯で“2強”は惨敗、8番人気ポタジェが勝てたのか「かつてはトウカイテイオーも…」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byJIJI PRESS
posted2022/04/04 11:30
4月3日の大阪杯でレイパパレ、アリーヴォに競り勝ちGI初制覇となったポタジェ(中央)
鹿戸雄一調教師は、自身のツイッターにこう記している。
「敗因はこれから探っていきたいと思います。ゲート内で突進をして顔が腫れる様な怪我があったことも1つの原因かと思われます。ケアをしながら今後の事も考えていきます」
これまで、ダービーで鼻差の2着になったのが唯一の敗戦だった馬がこれだけ大きく負けたのだから、展開が向かなかったとか、初コースが合わなかったといったことではなく、闘争心や、走ろうとする気持ちにかかわる理由だったのではないか。
サラブレッドというのは、人間の頭で考える理屈では解明不能な敗戦を喫することがままある。かつての名馬でも、トウカイテイオーなどは、なぜ負けたのかわからないレースのあとに、とてつもないパフォーマンスを発揮した。
であるから、今回の敗因は謎のまま終わる可能性もあると思われるのだが、ともかく、また強いエフフォーリアの姿を見せてほしい。
ジャックドールは展開が…それでも強かった
二強のもう1頭、単勝3.7倍のジャックドールは、負けたといっても、ポタジェから2馬身ほどしか離されなかった。GI初出走にしては立派だと言える。
この馬の敗因は、展開だろう。
前半1000m通過は58秒8。良発表でも小雨がパラついて、いくらか湿った馬場にしては速かった。この馬が勝つには、後半1000mを59秒6より速いタイムで走らなければならなかったのだが、実際は、60秒1かかってしまった。
道中、アフリカンゴールドにすぐ後ろからつつかれるなど、ストレスを受けながらの逃げになったこともキツかった。騎乗した藤岡佑介によると、レース中に落鉄した影響もあったかもしれないという。それでもコンマ5秒しか負けなかったのだから、やはり強い。
今後も、ドバイターフを逃げ切って1着同着となったパンサラッサとの初対決など、ワクワクする話題を提供してくれるだろう。
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