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エフフォーリアの“敗因”は謎のまま? なぜ大阪杯で“2強”は惨敗、8番人気ポタジェが勝てたのか「かつてはトウカイテイオーも…」
posted2022/04/04 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
JIJI PRESS
前評判の高かった「二強」はともに馬群に沈み、単勝58.7倍の伏兵が、重賞初制覇をGIで飾る大金星を上げた。
第66回大阪杯(4月3日、阪神芝内回り2000m、4歳以上GI)で、吉田隼人が騎乗した8番人気のポタジェ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。これまで重賞では昨年の新潟大賞典(GIII)2着が最高だったが、春の中距離王決定戦で見事にGI制覇をなし遂げた。
首差の2着は昨年の覇者レイパパレ、3着は武豊のアリーヴォ。1番人気のエフフォーリアは9着、2番人気のジャックドールは5着に敗れた。
内のレイパパレ、真ん中のポタジェ、外のアリーヴォ
最後の直線、逃げるジャックドールが後続を突き放しにかかる。しかし、5連勝してきた前走までとは違い、他馬が見る見る差を詰めてくる。ラスト200mを切ったところで外からレイパパレにかわされ、さらに外のポタジェにも並ぶ間もなく抜かれてしまった。
こうしてジャックドールを抜き去って行くのは昨年の年度代表馬エフフォーリアだと思われていたのだが、エフフォーリアは、先頭から5馬身以上後ろで伸びあぐねている。
ラスト100m付近で先頭に躍り出たレイパパレに、外からポタジェが並びかけた。これら2頭の外からアリーヴォが猛然と追い込んでくる。
内のレイパパレ、真ん中のポタジェ、外のアリーヴォ。3頭横並びの壮絶な叩き合いを制したのは、ポタジェだった。吉田はガッツポーズで喜びを表現した。
ゴール後、レイパパレの川田将雅から差し出された左手を、吉田が握り返した。2人は競馬学校の同期なのである。
「強い馬が相手でしたが、一発狙ってやるぞと思っていたので、嬉しいです。前から賢くて、競馬のセンスがある馬です。前走、馬のリズムで行って、あまり進んで行かなかったので、今日はある程度ポジションを取りに行きました」