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M-1に出たキングオブコント王者が評価する「オズワルドの2本目はなぜあれほど失速した?」「錦鯉さんは『猿』より『合コン』が正解だった」

posted2022/02/06 17:01

 
M-1に出たキングオブコント王者が評価する「オズワルドの2本目はなぜあれほど失速した?」「錦鯉さんは『猿』より『合コン』が正解だった」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

写真は2013年のキングオブコント。6代目の王者になったかもめんたる。昨年はM-1に出場し、準々決勝まで進出した

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Sankei Shimbun

2013年キングオブコント王者のかもめんたる。当時、出場2988組の頂点に立った。
そのかもめんたるは昨年、M-1にエントリーし、惜しくも準々決勝で敗退していた。そんなコンビの“ネタ作り”を担当する岩崎う大さん(43歳)に聞く、M-1最終決戦3組の本音での評価とは?(全3回の2回目/#1#3へ)

――う大さんの場合、漫才のときは「素の自分に近い人間」を演じるようにしているとのことですが、漫才師は大なり小なり、そういう感覚なのでしょうか。

岩崎う大 すべての漫才師に当てはまるわけではないと思いますよ。漫才師の方でコントは苦手だという人もいるじゃないですか。芝居ができないからという理由で。そういう人は、やっぱり演じているという意識はないんじゃないかな。僕はそこは理解できないんですよね。演じるという感覚なしに、毎回、知らない振りができるというのは。

――ご自身のYouTubeちゃんねる『う大脳』で実況中継されていたM-1決勝についてもおうかがいしたいのですが、そこへ行くと、今大会で最終決戦に残った3組(錦鯉、オズワルド、インディアンス)は、どちらかというと「演じてない派」、つまり根っからの漫才師たちのような気がしました。

う大 本人に聞いてみないとわからないですけど、彼らは「演じている」という意識はないように見えますよね。よく「絶対漫才感」みたいな言い方をしますけど、それを持っているということなのかな。僕は最終決戦だけで見たら、インディアンスがいちばんよかったな。それこそ、これぞ漫才、という気がしたからかな。漫才師としてのテクニックに圧倒されました。100メートル走でも、練習したからといってみんなが10秒を切れるわけではない。彼らは漫才における「9秒台の世界」を知っている気がしますね。あれだけスピード感があると、アドリブみたいな突拍子のないボケでも、おもしろみが出てくる。誤解を恐れずに言えば、すごくオーソドックスな漫才なんですけど、今大会は癖の強いコンビが多かったせいか、インディアンスのうまさが際立った。ただ、トータルで見た場合、誰が勝ったらいちばんしっくりくるかなと考えるとやっぱり錦鯉さんでしたね。特に1本目の合コンネタは、錦鯉さんの「正解」にたどり着いたようなネタでした。

錦鯉「合コン」にあって、「猿」になかったもの

――正解というのは。

う大 前年のネタ(パチンコ)に比べると構成とかはシンプルになった。もう、メチャクチャオーソドックス。だけど、50歳の(長谷川)雅紀さんが世界一、おもしろく言えるボケばっかりを詰め込んでいた。「緑色の水飴がさ、田んぼの味がするんだよね」とか、「50歳を過ぎたら体の(中で)痛くなる場所」というお題の古今東西で「ひーざ!」と叫んだり。あの台本を他のコンビがやっても、ぜんぜんおもしろくないんじゃないかな。また、今大会は、雅紀さんのキャラがハマりましたね。曲者が多い中、すっごいシンプルなバカ漫才でしたから。他のコンビが変化球を投げていたぶん、彼らのストレートが球速以上に感じられたのかも。そこへ行くと、2本目の猿を探しに行くというネタは、いかにもネタっぽい感じがしちゃったんですよね。コントならどこまでつくり込んでもいいんですけど、漫才だと、それが醒めポイントになってしまうことがある。

――やり過ぎですか。

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