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なぜあのキングオブコント王者は昨年“M-1で準々決勝敗退”したのか? かもめんたるが本音で語った「漫才とコントの決定的な差」
posted2022/02/06 17:00
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Keiji Ishikawa
そのかもめんたるは昨年、じつはM-1にエントリーし、惜しくも準々決勝で敗退した。そんなコンビの“ネタ作り”を担当する岩崎う大さん(43歳)に聞いた、「コント」と「漫才」は結局何が一番違うのか?(全3回の1回目/#2、#3へ)
M-1の2回戦でスベった過去「漫才はもういいや」
――昨年、2009年以来12年ぶりにM-1にエントリーされました。惜しくも準々決勝で敗退してしまいましたが、どのような心境の変化だったのでしょうか。
岩崎う大 一昨年の12月、サンドウィッチマンさんの「お笑い二刀流道場」という番組で、漫才に挑戦させてもらいまして。自分の中で漫才熱が急に高まってきて、また漫才をやりたいなと思っていたんですけど、なかなか時間をつくれないまま、あっという間に時間が過ぎちゃったんですよね。そんなときに、去年の7月ぐらいかな、「ルミネtheよしもと」の『M-1トレーニング2021』というイベントに呼ばれて、そこで新ネタを一本披露したんです。そうしたら、そのネタの評判がけっこうよくて。そこから勢いがついて、エントリーにいたったという感じです。
――確認ですが、07年にかもめんたるの前身である劇団イワサキマキオを結成して、08年、09年と2回、M-1に出ているんですよね。
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う大 09年は、よく覚えています。2回戦の会場が「ラフォーレ原宿」で、めちゃめちゃスベッたんですよ。あのとき、漫才はもういいや、って思った。そんなにレベルは変わらないと思っていた周りの芸人との歴然とした差を感じたんです。やっぱり日頃から漫才に打ち込んでいる芸人は違うな、と。だったら今はコントに集中しようと思いましたね。
――自分たちは漫才に向いてないと思ったわけですか。
う大 漫才って、素の自分でしゃべらなければならないという固定観念があったんです。その感覚がわからなかった。コントで自己紹介するなんてこと、まずないですよね。でも、漫才は「かもめんたるです」って自己紹介している以上、しゃべってるのは「岩崎う大」のはずなんですよ。でも、実際は違うじゃないですか。漫才も芝居は芝居ですから。同じネタを何度やっても、初めて聞いたかのように驚いたり、怒ったりしなければいけない。それを自然にやろうと思えば思うほど、空回りするというか、白々しくなっちゃう自分がいて。そんなんでウケても気持ちよくないんじゃないかなとも思っていたんです。
コントネタをそのまま漫才にすることは可能ですか?
――今回、そこは消化できたのですか。