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「漫才の1分半はかなり大きい」あのキングオブコント王者はM-1をどう見た?「ネタ時間4分なのに」ハライチが1分半オーバーで物議の件は?
posted2022/02/06 17:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
M-1グランプリ事務局
ロングコートダディの“センターマイク問題”
――『しくじり先生』のスピンオフ企画「キングオブう大」(その年のキングオブコントの準決勝で敗れた組が出場する)が今年も開催され、そこで優勝したロングコートダディをう大さんはM-1でも推していました。
岩崎う大 いいネタが2本そろっているという噂を聞いていましたから。
――今回の決勝ネタは準決勝と同じものでしたが、確かに、準々決勝の別のネタもすごくおもしろかったです。ただ、決勝で審査員方から、あそこまでセンターマイクを使わないことの違和感を指摘されるとは……。やはり漫才とは、そういうものなんですね。ちなみにM-1予選も全部、センターマイクは生きていたんですよね。
う大 ピンマイクは付けていなかったので、生きていたと思います。コントは動き回るので、基本的にピンマイクなんですけどね。漫才師の人は慣れているんでしょうけど、僕はセンターマイクはやりにくかったな。横向いてしゃべると、一気に声が小さくなるんですよ。『えっ?』ていうぐらい。フットマイクも声を拾ってくれていましたけど、あれは、あくまで補助ぐらいに考えておかないときついな。
――ロングコートダディは、もともとはコントを得意としているコンビです。なので、漫才もいわゆる「コント漫才」の体をなしていましたが、今回の「生まれ変わったらワニになりたい」というネタはコントネタを漫才にしたのでしょうか。
う大 あれだけ時間と場所をポンポン飛ばしていくということは、漫才のためのネタだったんだと思いますよ。天界のシーンから始まって、地上のシーンになって、また天界に戻ってくるとなると、コントの場合、その度に衣装を変えないと違和感がありますし。漫才じゃないとできないネタだと思います。そういう意味では、漫才の利点を生かしていたと思います。
――あのネタは審査員のオール巨人さんが講評で話していたように、あんなに左右に動き回らなくても、センターマイクの前だけで十分できると思いましたか。
う大 できないことはないと思います。でも、あえて動いたんじゃないかな。漫才への挑戦という部分もあったと思いますね。
モグライダーとランジャタイが1番、2番になってしまった
――なるほど。あえてやっていたんだ、と。それなら納得できますね。今大会の全体的な印象はいかがでしたか。