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「これがあと3週間続くのか」報道関係者から嘆きも…北京五輪の“対コロナ厳戒態勢”は東京五輪と何が違う?【現地レポート】 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTakaomi Matsubara

posted2022/02/02 11:02

「これがあと3週間続くのか」報道関係者から嘆きも…北京五輪の“対コロナ厳戒態勢”は東京五輪と何が違う?【現地レポート】<Number Web> photograph by Takaomi Matsubara

防護服に身を包みながらも、歓迎の意を示す現地のスタッフ

 そして対策のもとで過ごすのは、選手も同様だ。北京到着後にとどまらず、入国する前にも厳しく対策をとってきた。合宿中の外部との接触の制限、毎日のPCR検査……。その末に、北京にたどり着いた。

女子ジャンプ金メダル候補がまさかの陽性反応

 一方で、懸命に対策していたはずなのに陽性反応を示し、打撃を受ける選手たちもいる。

 クロスカントリースキーの強豪国の1つ、ノルウェーではワールドカップ総合優勝2度などの実績を持つハイディ・ウェン、アンネ・チェアスティ・カルバが陽性で、陰性となって戻れるのは競技開始の2日前になる。フィギュアスケートではミハイル・コリヤダ(ROC)が陽性により欠場を強いられた。また女子ジャンプでは今シーズンのワールドカップ総合1位、マリタ・クラマー(オーストリア)が1月29日の出発前最後の検査で陽性反応を示したことから隔離となった。

 それでもあきらめてはいない。24時間以上の間隔を空けて4回連続で陰性であれば参加できることから、検査でそれを証明した上で、競技が行なわれる2月5日の朝、北京に到着し夕刻からの試合に出場する段取りに懸けているという。出られたとしてもコンディションには大きな影響を受ける。それでも、可能性を模索する。オーストリアの協会関係者は「出場することが最大の目標になってしまった」とコメントしているという(追記:2月1日夜、クラマーの欠場が発表された)。

 メダル獲得など自身の競技での目標を設定しつつ、まず大会に参加できるよう尽力する。陽性、陰性いずれにせよ、そんな負担とも戦いながら、選手は五輪の舞台を目指してきた。

 大会が始まったあとも、「開催までこぎつけたのだから大丈夫だ」という予断は許されない。

 そんな特殊な環境のもと、選手たちが立つ舞台が始まろうとしている。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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