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リーグワン開幕節で見えたラグビー界の“変化の兆し”とは? Jリーグをロールモデルに「地元の結束、一体感の醸成」を実現できるか
posted2022/01/11 17:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JIJI PRESS
変わったかどうかを問われれば、「変わりそうだな」という感じだろうか。
1月8日、ラグビー・リーグワンの東京サントリーサンゴリアス対東芝ブレイブルーパス東京の試合に出かけた。2003年から行なわれてきたトップリーグが刷新され、リーグワンに生まれ変わった記念すべき開幕節である。
イベントや“スタグル”に見る非日常感
さて、何が変わったのか。
トップリーグはラグビー協会が興行していたが、リーグワンはリーグと各チームが運営していく。本拠地に当たるホストエリアを設定し、チーム名に地域名が入った。そのおかげでチーム名が長くなり、その省略形が分かりにくいという弊害が生じているが、これはJリーグも経験したことだ。時間をかけて認知を広げていけばいい。
トップリーグ当時から府中ダービーとして知られる東京SG(サントリーの略称だ)とBL東京(こちらは東芝である)の一戦は、調布市の味の素スタジアムで行なわれた。サッカーファンにはJリーグでお馴染みであり、19年のラグビーW杯や昨年の東京五輪でも使用された。
最寄り駅からスタジアムまでは徒歩5分ほどで、その道のりにイベントを開催できるスペースはない。Jリーグでも日本代表の国際試合でも、ユニフォームを売る出店や飲料が売られているぐらいだ。
この日も特別な催しはないのかと思いきや、スタジアムのバックスタンド裏側でイベントが開催されていた。両チームにゆかりのある元日本代表選手によるトークショーや、人気のキッチンカーがフードパークを作っていたのだ。
ホームチームの東京SGの公式サイトで事前に告知されていたのだが、最寄り駅からスタジアムまでの道のりにも案内があったらな、と思う。リーグワンでは自分たちで試合を運営して、自分たちで収益を上げていくのだ。ラグビー関連のSNSをチェックしていない人、試合当日の情報を持っていない人も来るという前提で、どのようにイベントに人を集めるかを考えるべきだろう。