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「ハタケさん元気っすね」36歳畠山健介の尽きないラグビー愛とリーグ3部からの挑戦…取材中に見せた樹木希林と似る“鋭さ”とは?
posted2022/01/11 11:00
text by
イワモトアキトAkito Iwamoto
photograph by
Akito Iwamoto
インタビュールームに入ってきた畠山選手は、午前中の子どもたちとのタグラグビーの疲れからかやや眠そうだった。まるで寝起きの熊。大きな体を揺らしながら椅子へと座る。
穏やかな表情と雰囲気が場を和ませる。1つ聞けば10答えが返ってくるような、これまでの経験から得た想いやエピソードがとめどなくあふれだす。
とにかくよくしゃべる。若い選手から「ハタケさん元気っすね」と言われる通り。練習でも常に声掛けをしている姿が印象的だった。実は大学入学が同じ年、同級生のよしみで筆者もこの記事では「ハタケさん」と呼びたい。
8歳で出会ったラグビー「今が一番楽しい」
現役選手としては最多の日本代表78キャップ。長くプレーを続けてきた中でも「今が一番楽しい」と言う。8歳で出会ったラグビー、今はそのころと同じ感覚でボールを追いかけているとのこと。確かにインタビューに答えるその表情は子どものように無邪気だ。
新リーグの開幕そしてシャトルズというチームでの役割などを問えば、出てくる言葉のすべてが“ガチ”。若い選手やリーグのマネジメント側に対しても真剣な想いがほとばしる。
「受動的な言葉では人は動かない。能動的に自分でそう思わなきゃ人は変わらない」
「もっと新規ファン向けのシンプルなプロモーションが必要」
「ラグビーへの感謝の気持ちをつなぐ。ラグビーのサスティナブルをやっていく責任を……」
英国、米国、そして日本。世界を渡り歩いてきた男から見た日本ラグビーのあり方への想いは尽きることはない。視野は広く、新型コロナウイルスが感染拡大した際にはプレーする米国と日本の政策の違いなどにも関心を寄せていたとのこと。