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リーグワン開幕節で見えたラグビー界の“変化の兆し”とは? Jリーグをロールモデルに「地元の結束、一体感の醸成」を実現できるか
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJIJI PRESS
posted2022/01/11 17:00
味の素スタジアムで行われたリーグワン開幕節の“府中ダービー”は、東京SGが60対46でBL東京に勝利。寒空のもと観戦に詰めかけたファンに熱戦を届けた
試合前後のイベントやスタジアムグルメは、クラブの魅力のひとつに成り得る。J1リーグの川崎フロンターレはその好例だ。
場外イベント広場『フロンパーク』は、世代を超えて楽しめるエンターテインメント空間となっている。独創的な企画はSNSで拡散され、次回以降の集客につながっているのだ。試合もイベントも面白いチームとして、川崎FはJリーグで独自の立ち位置を築いている。
外国出身選手の出場枠増加によるレベルアップにも期待
ピッチ内の変化としては、出場資格の変更がある。
TLでは2人までだった他国の代表経験を持つ選手が、リーグワンでは3人同時に出場できることになった。この日の試合では東京SGのショーン・マクマーン、サム・ケレビ(いずれもオーストラリア)、ダミアン・マッケンジー(ニュージーランド)の3人のW杯経験者が、先発に名を連ねた。他国の代表経験者だけでなく外国出身の選手が、より多く出場できるような変更がなされている。
クオリティの高い選手がより多く出場できるようになれば、ゲームの水準は上がるだろう。Jリーグは1993年のプロ化とともにクオリティを持った外国人選手が増え、日本人選手のレベルが押し上げられた。当時の日本代表キャプテンだった柱谷哲二は、「Jリーグでレベルの高い外国人FWとマッチアップしているので、アジアの代表と対戦する際に自信を持てるようになった。オレたちはもっとすごい選手とやっているんだ、とね」と話したものだった。
バスケットボールのBリーグは、2020-21シーズンから外国籍選手の試合エントリーを2人から3人へ変更した。これにより、強度の高いプレー環境を実現した。
また、トップリーグは16チームで構成されていたが、ディビジョン1は12チームに絞り込まれた。力の差があるチームを減らし、競り合った試合を増やしていくためだ。これもまた、リーグ戦のスタンダードを世界基準へ近づけていくための変更である。