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春高バレー王者・就実が誇る最強ツインズに“双子の母”大山加奈も「うちの子たちも十数年後には…」深澤姉妹が語った連覇への抱負
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2022/01/04 17:03
昨年、2年生ながら就実を春高制覇に導いた深澤めぐみ(左)と妹のつぐみ。王者として連覇に挑む
大山 前回大会、めぐみ選手は2年生ながらキャプテンとして出場されましたけど、今年は最上級生になって、何か変えたところとかありますか。
めぐみ 自分の背中を見て後輩が練習に取り組んだり、動きが変わってくるので、絶対に手を抜いてはいけない。みんなをプレーする姿で引っ張る立場だったので、苦しかったところもありました。でも任せてもらったということをありがたく感じて、しっかり全うできるように頑張っています。
大山 「エース」という役割もありますよね。
めぐみ 心が折れたこともあったんですけど、監督に「今までのキャプテンもエースも苦しんできたんだから、それが当たり前だよ」と教えてもらってから、より自覚や責任を持ってできるようになりました。ちなみに大山さんは勝負所では、どんなことを考えてプレーしていましたか?
大山 最後の最後を、託してもらえる幸せ、でしょうか。スパイカーが何人もいる中で、絶対ほしい点を自分に託してくれるって、こんな幸せなことないですから。もちろんプレッシャーはあるし、打つのが怖いときもありましたけど、ちょっとでもネットより上にあがったボールは全部、自分の責任だという気持ちで打ち込んでいましたよ。
パワフルカナが意識した「力を抜くこと」
つぐみ スパイクやブロックなどプレーで特別に意識していることはありましたか?
大山 力を抜く。でも、私はこれがほんとに苦手でした(笑)。「パワフル加奈」と呼ばれていたぐらい、力尽くで得点を決めにいったり、ブロックも力で抑えたり。でも結局、力んでしまうと打球の速い、強いスパイクは打てない。だから3割のぐらいの力で、という意識はずっと持っていました。3割?って思うかもしれないけど、結果的にちょうどいい8割ぐらいの力で打てる。身体の力が抜けているからスイングもしなやかになるんですよね。難しいけど、緊迫した場面こそ、力を抜いてみてくださいね。
ちなみにふたりも“パワフル”なスパイクが武器だと思うんですけども、トレーニングはどんなことをしていますか。
めぐみ 走り込み、ウエイトトレーニングは多くこなしています。あとはトレーニング系とは別になりますが、「打ち込み」という練習を5本×20セットこなしています。後半になってもジャンプ力、スパイクの切れが落ちないように。
大山 打って開いて、打って開いてを5本ずつ。それを20セットか。なかなかですね。
めぐみ・つぐみ きついです(笑)
大山 春高でも準決、決勝に進むと5セットマッチになるから、最後まで打ち続ける体力をつけているのですね。以前から就実の試合を見ても、本当に“サボらない”印象を受けています。
めぐみ 練習でもそこはずっと言われていることなので、みんなの中に染みついたかなと思います。
大山 特にミドルブロッカーのつぐみ選手はブロックを飛んだ後もいつもすぐに開いて準備している。
つぐみ その場でジャンプするのが得意じゃないので、助走をつけないと体重を乗せて打つことができなくて。決めるために少しでも早く、長く距離を下がれるようには心がけています。
大山 小学生、中学生のプレーヤーにぜひ見てもらいたい動きだなと思っています(笑)