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私が驚いた“非情な戦力外通告”「イップスなんだそうです…」プロ野球に入って“自分の投球フォームを見失う”悲劇は防げるのか?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byGetty Images
posted2021/12/28 17:06
数多くのアマチュア選手を取材してきた筆者が見た「戦力外通告」の現実とは? ※写真はイメージ
ファーム指導者の本音も、たしかに「実情」かもしれない。
1年でファーム卒業なんてルーキーはそうそういない。3年、4年……場合によっては、もっと時間をかけるべき選手が何人もいる中で、教える指導者が1年でコロコロ代わる現実は、どう考えたって理屈に合わない。
ならば、「スカウト兼ファームコーチ」を任ずるスタッフは「球団職員」として、任期を設けずに自分がスカウトとして担当した選手たちを指導する。そうしたシステムは、どうだろう。
誰が誰を獲って、教えているのかを明確にして、成果によって指導者側に「ごほうび」を出してもよいし、成果を出せない者は配置転換、ないしはそれこそ「戦力外」となる。
責任の所在がはっきりするし、選手もアマチュア時代からの付き合いになるのだから、「わかってくれてる人」から引き続き指導を受けることで、胸襟を開いたコミュニケーションの中、納得を積み重ねながら練習に励めるのではないか。
ファームの公式戦は、二軍監督に、主に守備、走塁を担当するベースコーチ……最小限の指導者によって運営し、特にバッティングとピッチングに関しては「スカウト兼ファームコーチシステム」はいかがなものだろうか。
人が人を見定める。人が人を教え、導く。
難解なテーマであろうが、少なくとも、お互いの中に、その結果に対して「納得」が残る方法であってほしい。