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急逝オリベイラさん、エリクセンやアグエロの引退危機… 欧米で報道される「サッカーと心臓疾患の謎」とは 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byJ.LEAGUE

posted2021/12/08 11:00

急逝オリベイラさん、エリクセンやアグエロの引退危機…  欧米で報道される「サッカーと心臓疾患の謎」とは<Number Web> photograph by J.LEAGUE

湘南ベルマーレのオリベイラさんの急逝をはじめ、心臓疾患は近年のサッカーを取り巻く問題となっている

「(コロナ)ワクチンとの関係性を外部に向けて発するのは、世界でもっとも無責任なことに思える」と、英国を代表するスポーツ心臓学者のサンジェイ・シャーマ教授は話した。

「特に今、有名なスターが『ワクチンなんて要らない』と言うと、多くの若者たちがそうしたロールモデルに追従するように、『じゃあ、自分も要らない』となってしまう。すると、彼らが高齢者にもウイルスを感染させてしまう。これでは、いつまで経ってもパンデミックを抑え込むことができない」

 同教授はまた、インターネットが24時間稼働する現在、誰にでもそうしたニュースに触れる機会が増え、実際よりも事故が増えていると錯覚することもあるはずだと警告する。加えて、フットボールそのものが以前より「ものすごく速く、ダイナミックになり、試合数も過去にないほどに増えている」ことも、選手が犠牲になっている要因として考えられると言う。

元プロ選手の口から根拠の薄い発言も

 しかし根拠の薄い無責任な発言は、オンラインの片隅からだけでなく、元プロ選手の口からも聞こえてくる。

 11月23日にイングランド・EFLチャンピオンシップ(2部リーグ)第19節レディング戦で、シェフィールド・ユナイテッドのジョン・フレックが意識を失い、応急処置の後に入院した。すると、元イングランド代表トレバー・シンクレアはラジオで、「彼(フレック)がワクチンを打ったかどうか、誰もが知りたがっているはずだと」コメント。フレックは翌日に無事に退院し、クラブ関係者は英『メール・オンライン』に「ジョン・フレックの件はワクチンとは無関係だ」と明かした。そしてシンクレアは番組から降板させれられている。

「フィールド上の卒倒にも、たくさんの理由がある」とノッティンガム・トレント大学の公衆衛生の専門家ロバート・ディングウォール教授は、英紙『ザ・テレグラフ』に話した。

「きちんとした調査がなされるまでは、ひとつの要因を決めつけるべきではない。COVIDワクチンのせいにしたくなるかもしれないが、社会的責任を持つ識者のような人々は、真の根拠もなく、ワクチン拒否を助長するような言動は慎むべきだ」

松田直樹さんの件が真っ先に思い出される中で

 EURO2020でのエリクセンの件は、メジャートーナメント史上初の心臓発作で、世界中にライブ中継されていたから、衝撃は極めて大きかった。その時もSNSを中心に真偽の疑わしい憶測が流れたが、後に所属先のインテル・ミラノは当時、エリクセンはコロナワクチンを一度も受けていなかったと確認している。

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