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「KOの時、パンチを出す前に倒す確信はある?」素朴な疑問に井上尚弥は何と答えたか?《松島幸太朗と同い年スター対談》

posted2021/10/17 11:01

 
「KOの時、パンチを出す前に倒す確信はある?」素朴な疑問に井上尚弥は何と答えたか?《松島幸太朗と同い年スター対談》<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

1993年生まれの井上尚弥と松島幸太朗。同年生まれのアスリートには遠藤航(サッカー)、石川佳純(卓球)、吉田正尚(野球)、富樫勇樹(バスケットボール)らがいる

text by

渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

PROFILE

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Takuya Sugiyama

ともに28歳。かねてより競技の垣根を越えて親交を深めてきたという。世界を舞台に飛躍する2人のスーパースターがボクシングとラグビー、それぞれの価値観について存分に語り合った。<初出:Sports Graphic Number 1035号(2021年9月24日)井上尚弥×松島幸太朗「KO、スピード、メンタル、そして俺たちのゴールについて」/肩書などはすべて当時>

井上 けっこう久しぶりだよね。幸太朗がフランスに行く前にご飯に行ったのが最後だから1年ぶりくらい?

松島 1年ちょいかなあ。

井上 そもそもはノニト・ドネア戦('19年11月)を観に来てくれたのが最初だったね。

松島 ラグビーの仲間と一緒に他競技を観ることがあって、尚弥も話題になってた。「あのパンチ、エグいな」って(笑)。

井上 あの時、せっかく試合を観てもらって控え室まで来てもらったんだけど、切れたところを縫うとか、試合後でバタバタしてろくにあいさつもできなかった。それでじゃあ食事をしようかとなって。

富樫勇樹の誘いで「93年組」の食事会を開催

松島 富樫(勇樹=バスケットボール日本代表)が誘ってくれたんだよね。

井上 その後2人の試合を観させてもらったけど、体の使い方とかを見ると面白かった。今まで他競技の選手から刺激をもらったことがなかったから、素直に新鮮だった。

松島 富樫が声をかけてくれたからよかったけど、ボクサーはちょっと誘いづらいところがある。減量中かなあと思ったり。

井上 ああ、1年中減量してるイメージね。そんなことないんだけど(笑)。

松島 僕は普段そんなに節制はしないから。

井上 こっちからだって誘いにくいよ。ボクシングは個人競技だから休みを自分で決められる。でも団体競技は違うでしょ?

松島 そうだね。自分で時間を決められるのはうらやましい。早朝に練習とかあるけど、早起きはちょっと苦手。個人だと練習時間も自分で決められるよね?

井上 ちょっと眠いから今日は10時からにしようとか全然できるよ。ただ、トレーニングをチームでできるのはうらやましいかも。みんなでやるからこそ追い込める場面もあると思う。ボクシングは(手を)抜こうと思えばいくらでも抜けちゃうから。

松島 それはあるかもしれない。自分が個人競技だったらけっこう抜いちゃいそう。

井上 逆に心配なのはオーバーワーク。たとえば自分なら「今日は疲れているから、休んで明日に備えよう」とか調整する。チームだとそれはやりにくいと思う。

松島 そこは試合に出て認められるようになると融通が利くところがある。みんなに認められれば、「疲れているから休む」と言っても信用してもらえるというか。

【次ページ】 海外で痛感した語学力の大切さ

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