井上尚弥、試合直前の控え室でまさかの「寝落ち」？

井上　試合前はどんな準備してるの？

松島　ルーティンとかはないかな。

井上　それも同じだ。強いて言えばマジでリラックスすること。寝られないとかは？

松島　それはある。だけど寝てない時は意外と試合で調子良かったりするので、そこは気にしてないかな。

井上　俺も、楽しみで寝られないことはある。だから試合当日は意外と寝不足かも。6月の試合（マイケル・ダスマリナス戦）は前夜に寝てなくて、試合前にちょっと寝ようと思ったんだけど、昼から宿泊客のどんちゃん騒ぎが始まって。すごい重低音が響きわたって寝られなかった。だから控え室で寝落ちしそうになって、テレビにあくびしてるところが映っちゃった。

松島　そんなことあったんだ（笑）。

睡眠不足でも問題なし。3回2分45秒TKO勝ちでダスマリナスを一蹴した　©Getty Images

井上　ところで取材とかで「なんでメンタル強いんですか？」って聞かれない？

松島　聞かれたことはあるね。

井上　なんて答えるの？

松島　「わかんないです」って。

井上　なんか答えてよ！（笑）　確かにそう聞かれて困るのもわかるけど、個人的には準備なのかなと思ってる。これなら勝てるでしょという準備をしてリングに上がるから、自信も落ち着きも出るわけで。でもたとえば「あさって試合しろ」って言われたらパニックですよ。

松島　ラグビーはシーズンを通して試合をしてるから、あさっていきなり試合でも対応できるかな。去年のリーグ戦はコロナの関係でシーズン終盤に試合が詰まって、急に週2試合やることもあったよ。

井上　世界タイトル戦だと何カ月もかけて準備するから、1カ月前でも無理。いつでも試合できる戦闘状態にしておいて、最後の2カ月くらいでドーンと仕上げる。ボクシングは試合の日程がなかなか決まらないけど、ラグビーは決まってるよね？

松島　決まってるけど、試合のメンバーに選ばれるか選ばれないかという問題がある。そこは一番ストレスのかかるところで。自分がすごくいい状態でも、監督がベテランの経験を買いたいとなれば、試合に出られないこともある。2019年のワールドカップは、「まあ、（メンバーに）入ってるだろう」という感じで動いてたけど。

井上　面白い。試合に向けての準備がまったく違うんだね。ボクシングで試合の日に「君はメンバー外」はないから（笑）。

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