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「KOの時、パンチを出す前に倒す確信はある?」素朴な疑問に井上尚弥は何と答えたか?《松島幸太朗と同い年スター対談》 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/10/17 11:01

「KOの時、パンチを出す前に倒す確信はある?」素朴な疑問に井上尚弥は何と答えたか?《松島幸太朗と同い年スター対談》<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

1993年生まれの井上尚弥と松島幸太朗。同年生まれのアスリートには遠藤航(サッカー)、石川佳純(卓球)、吉田正尚(野球)、富樫勇樹(バスケットボール)らがいる

長く続けたいなら、基本をしっかりやるしかない(松島)

井上 あっ! もう一個聞きたいこと思い出した。ラグビーってゴールはどこなの?

松島 ゴール?

井上 幸太朗の最終目標というか。

松島 ヨーロッパでプレーしていて、認められつつあるという状況で、それを“本物”にできるかどうかってところかな。そういう意味では結構ゴールは近い感じはする。でもそれを達成したからといってモチベーションが下がることはなくて、向こうでやってる限りヨーロッパの一番になれるチャンスはあるし。そこは目指していきたい。

井上 じゃあ、自分の引き際って考えたことある?

松島 力が落ちて2部リーグならプレーできたとしても、それはしたくない。1部で終わりたいという感覚はあって、それが33歳から35歳くらいのイメージかな。

井上 それはわかる気がする。ベテランになってごまかしながらやれないことはないけど、それはやりたくない。

松島 あと、長く続けたいなら、基本をしっかりやるしかない。基本をやらないとどんどん落ちていっちゃうと思う。

井上 それも同感。基本を抜いて自分が好きなトレーニングばかりやると絶対に崩れていく。俺なんか基本ばっかりやってるし。

松島 基本を疎かにすると、ケガすることにもつながるからね。

井上 俺たちも引退を考える年齢になってきてるじゃない、着々と。ボクシングはチャンピオンなら負けて引退する選手が多いし、引退時がいっぱいある。だから他のスポーツってどうなのかなって思って。

松島 ラグビーも他のスポーツと同じで、30歳を越えたあたりからパフォーマンス的に厳しくなる選手が多い気はする。

井上 自分は35歳まではやりたいと思ってるけど、たとえば30歳で負けると、そこから世界に再チャレンジできる環境とかポジションじゃないとやっていく意味がなくなる。そうなると引退を考えるかもしれない。タイミングも大事かなって。負けないのが一番だけどね。

松島 ラグビーの場合は自分の意思もあるけど、チームから契約しない、いらないと言われてしまったらそれで終わりだから。

井上 いずれにしてもそれまで全力でやるしかないんだけどね。

松島 そうだね。いつか一緒にトレーニングしよう!

井上尚弥Naoya Inoue

1993年4月10日、神奈川県生まれ。高校時代に史上初のアマ7冠。'12年プロデビュー。'18年に当時日本最速で3階級制覇達成。'19年、WBSS初代王者に。現WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者。21戦21勝(18KO)。165cm。

 

松島幸太朗Kotaro Matsushima

1993年2月26日、南アフリカ生まれ。桐蔭学園高卒業後、南アのシャークスアカデミーへ。'13年サントリーに入団し、'14年日本代表デビュー。'15年、'19年W杯出場。'20年、仏のクレルモンへ移籍。代表キャップ41。178cm、88kg。

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