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「濃いコミュニケーションをとります」遅れてきたDeNAの助っ人右腕・ロメロが日本野球にフィットした秘訣 <後半戦負けなし!> 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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posted2021/10/07 11:03

「濃いコミュニケーションをとります」遅れてきたDeNAの助っ人右腕・ロメロが日本野球にフィットした秘訣 <後半戦負けなし!><Number Web> photograph by KYODO

メジャーデビューした2018年はツインズで先発として3勝3敗、防御率4.69の成績。翌年は中継ぎで11試合に登板した

 後半戦はここまで6試合に登板し、防御率1.82。とくに9月は3試合に登板し負けなしの全勝、加えて20日の中日戦では来日初完封を飾っている。圧巻のピッチングだった。

「好調の理由ですか? やはり体調面のコンディションがいいというのが一番ですね。あとファームにいたとき、コーチの方々から新しい球種を習ったんです。それが非常にプラスに働いていると思います」

 メジャー経験のあるファームの大家友和コーチからカットボールとスプリットチェンジの必要性を聞き、使ってみることになった。貪欲にいいものを採り入れ日本野球にアジャストしようとする素直さや柔軟さもロメロの特徴だといえる。これらの新しい球種は頻繁に投げるわけではないが、高速のツーシームを中心としたピッチングに幅が生まれたのは間違いなく、インサイドへしっかりと投げ込めることもあってバッターは的を絞りにくくなった。

「一軍のブルペンに入ると三浦(大輔)監督が必ずチェックしてくれるのですが、とくにカットボールに関してはリリースポイントや手の角度など細かいアドバイスをもらっていて、それも結果に繋がっていると思います」

 また後半戦のピッチング内容の特徴として、前半戦よりもストレートを多用するようになっている。そう問うとロメロはうなずき、これもコーチたちからのアドバイスだと言った。

「バッテリーミーティングのときに木塚(敦志)コーチや川村(丈夫)コーチから絶対に言われるのは、まずは真っすぐをしっかりと投げるということ。そこを安定させることで、変化球はより活きますからね。あと、バッテリーを組む山本(祐大)さんとは試合中のイニング間にお互いの考えを擦り合わせるようにしています。ふたりが同じページを描き、めくることができるように濃いコミュニケーションをとります」

三振にはこだわらない

 こうしてロメロは本来の実力に加え、日本の野球をフラットな心で吸収し、結果快投を演じるようになっていく。狭い横浜スタジアムを主戦場とする投手として、ゴロを量産するグラウンドボーラーは、まさに地の利を生かしたタイプ。ゆえにあまり三振にはこだわりはないという。

「日本人の打者は先ほども言ったように2ストライクからしつこくカットしてくるので、三振を狙ってしまうと球数も増え、イライラしてしまうことがありました。だからそこは割り切って、アウトはアウトなのでゴロを打たせていくのが、アプローチとしては一番だと思っています」

【次ページ】 来季は満員のハマスタで

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