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〈J1とプレミアリーグを比較してみた〉降格回避どころか上位も視野… アビスパとブレントフォードに見る“好調な昇格組の共通点”とは
 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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posted2021/09/09 17:00

〈J1とプレミアリーグを比較してみた〉降格回避どころか上位も視野… アビスパとブレントフォードに見る“好調な昇格組の共通点”とは<Number Web> photograph by Getty Images

アビスパ福岡とブレントフォード。J1とプレミア昇格組というくらいの共通点と思いきや、調べてみると興味深いデータは数多く…

 グラフは過去5シーズン、昇格初年度でリーグ戦をトップハーフで終えたクラブの順位推移だ(今シーズンは20クラブ制、全38試合/外部サイトでご覧の方は関連記事からご覧になれます)。第6~7節あたりから上位をキープし、トップハーフで折り返しを迎えている前例と比較すると、福岡も似たような形を描いている。

 過去4クラブは折り返しを過ぎたあたりで少し下降曲線となるが、終盤戦で持ちこたえて上位フィニッシュしている。福岡はこれに倣いたいところで、昇格組とは思えぬ充実の陣容で挑んだセレッソ大阪と柏レイソルよりは、現状は当時の大宮アルディージャと大分トリニータに近い。

ここ近年のプレミア躍進例を見てみると

 ではプレミアリーグではどうだろうか。ここ数シーズンで印象に残るシーズンを送ったウォルバーハンプトン(ウルブス)、シェフィールド・U、リーズの昇格初年度の順位推移を、先ほどのJ1の順位推移と重ねるようにして見てみよう。

 プレミアリーグはJ1と比べて序盤戦でのブレイクこそないが、シーズンを通して中位圏に位置しており、安定したパフォーマンスを示している。特筆すべきは3クラブともシーズンを通した最低順位が15位で、それも順位変動の激しい序盤戦でたった1回経験したのみであることだ。

 こうしてみると開幕から6→8→10位ときているブレントフォードは彼らに近いものがある。そしてここからある程度勢力図がみえてくる第8節あたりまでが、今季のブレントフォードの勝負所といえるだろう。その時点で10位前後にいれば残留どころか、今季のダークホースとなる可能性が大きく広がる。

オルンガ、片野坂スタイルのようなブレない攻めの徹底

 ではこの前例に倣って福岡は終盤戦、ブレントフォードは序盤戦をどう戦っていくべきか。答えは「ブレない攻めの姿勢」だ。

 近年のJ1で言えばマイケル・オルンガの存在を最大限に生かした柏や、GKも加わるパスワークとロングカウンターを両立した“片野坂スタイル”で躍進した大分。

 プレミアでは堅守を武器としながら3センターバックの2枚がオーバーラップする大胆な戦術を用いたシェフィールド・U、目まぐるしく選手が入れ替わるマルセロ・ビエルサならではの超攻撃的スタイルを披露したリーズ。攻撃面での圧倒的な強みがあることは昇格組躍進の絶対条件といっていい。

【次ページ】 テンポの速い福岡、強気な攻めのブレントフォードともに必見

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