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《南米2強が激怒・批判》メッシ「なぜもっと前に…」 ネイマールも呆れた“ブラジルvsアルゼンチン9分で中止騒動”が奇怪すぎ
posted2021/09/09 06:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
フットボールの試合が、豪雨、台風などの自然現象、あるいは停電のような設備上のトラブルのせいで中断され、結果的に中止となることは、これまでにもあった。しかし、保健当局と警察がピッチに入って複数の選手の国外退去を求め、そのせいで試合が中止されたのは世界フットボール史上、初めてだろう。
前代未聞の事件が起きたのは、9月5日午後、サンパウロで行なわれた2022年ワールドカップ(W杯)南米予選第6節ブラジル対アルゼンチン戦。代表チームどうしの対戦としては南米最大にして世界でも有数のダービーマッチである。
かつてバルセロナで共にプレーし、今季からパリ・サンジェルマンのチームメイトとなったメッシとネイマールの対決としても注目されていた。
ただ、すでに試合前の時点で、地元メディアは「アルゼンチン代表のイングランド・プレミアリーグのクラブに在籍する4選手は、ブラジル入国後、本来なら隔離される必要があった」と伝えていた。
隔離義務に“問題”があったとされる3選手が先発
ブラジル保健省は「英国、南アフリカ、インドの3カ国に過去14日以内に滞在した者は、ブラジル入国後、14日間、自宅もしくは宿泊施設に隔離されなければならない」と定めている。
隔離義務を負うのは、GKエミリアーノ・マルティネス、MFエミリアーノ・ブエンディア(いずれもアストン・ビラ)、CBクリスティアン・ロメロ、MFジョバーニ・ロ・チェルソ(いずれもトッテナム)の4人。ただし、「アルゼンチンサッカー協会(AFA)は、彼らの隔離免除を特例として認めるようブラジル政府に要請した」という報道もあった。
この試合では、問題の4選手のうちブエンディアを除く3人が先発。試合を中継したブラジルのテレビのレポーターは、「南米サッカー連盟(CONMEBOL)が彼らがピッチに立つことを許可したのだから、ブラジル政府が隔離免除の特例を与えたのだろう」と推測していた。