福岡が今季6連勝をしたあとに5連敗を喫した時期があったが、仮にハイプレスのリスクを恐れて守備的にシフトしたなら、現在の立場は大きく違っていただろう。

負けが込んだ時期があったとはいえ、アビスパは逞しく戦っている　©Getty Images

　トップカテゴリー常連クラブとの戦力差を否定できない以上、守備的に戦っても一方的な展開が続くだけだ。福岡もブレントフォードもボールを持たれた展開で活きる圧倒的な強みがある。細かい戦術の変更は施しつつも、あくまでゴールと勝ち点3を最終地点にしたプランに継続性をもたせることが、今後の躍進への大きなカギとなる。

テンポの速い福岡、強気な攻めのブレントフォードともに必見

　いつもならひとつのリーグに特化して書くところだが、いろんな国のフットボールを幅広く楽しむきっかけになってくれたらと願う。

　J1のなかでもテンポが速く、攻守の入れ替わりが激しい展開になりやすい福岡の試合は、普段プレミアリーグしか観ない人には親しみやすいはず。逆にJリーグしか観ない人にとっても、マンチェスター・Uやリバプールなど一度は耳にしたことがある強豪クラブ相手に、強気の攻めができる昇格組という面白い存在はプレミアリーグの入口にもってこいだ。

　“昇格蜂”――。些細な共通点かもしれないが、J1とプレミアリーグをかき乱す存在として、ともに今季注目すべきクラブであることは間違いない。