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開幕から1カ月全3試合に出場…“久保建英のマジョルカ序列はどうなっている?”パーソナルコーチが徹底解説する
posted2021/09/01 17:01
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
TAKEの新たな冒険は、希望と期待に満ちたものとなっている。
ラ・リーガでの3シーズン目をマジョルカでスタートさせた久保建英は、開幕から3試合連続でピッチに立っている。第2節のアラベス戦と第3節のエスパニョール戦では先発で起用され、試合の終盤までプレーした。
チームも2勝1分けと好スタートを切った。レアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーらと同勝点で、6位に着けている。2部から復帰したチームとしては、申し分のない滑り出しと言っていい。
一昨シーズンに続いてマジョルカのユニフォームを着た久保建英は、パーソナルコーチの中西哲生氏の目にはどう映っているのか。
「監督の起用法とファンの反応がすべてを物語っています」と、中西氏は言う。
◆◆◆
第1節)移籍発表から3日後に「30分強の途中出場」
マジョルカへの期限付き移籍は、8月11日に発表されました。3日後の14日には、ベティスとの開幕戦が行なわれました。久保建英はベンチスタートでしたが、1対1に追いつかれた直後に投入されました。
東京五輪に出場したために、プレシーズンのトレーニングは参加できていない。およそ2週間で6試合を消化した疲労もある。その一方で、ゲーム感覚やゲーム体力に問題はない。久保の置かれた状況を整理すると、30分強の出場時間というのは論理的だったのではないでしょうか。そこには、ルイス・ガルシア・プラサ監督の「早くチームに馴染ませたい」という意図がうかがえました。
監督は試合中にも、久保に指示を出していました。チームで十分なトレーニングを積んでいないからかもしれませんが、私自身は期待の大きさと受け止めました。
ベティスは昨シーズン6位のチームで、ヨーロッパリーグに出場します。久保にはディフェンス面での働きも求められましたが、前回所属時のマジョルカやヘタフェでもそうしたタスクを果たしてきました。自身の活躍で2対1にすることはできませんでしたが、1対1のドロー発進で終えたことは悪くなかったはずです。
第2節)「序列の高さ」を示した“トップ下起用”
果たして、2試合目はスタメンに指名されました。ベティスとの開幕戦は2列目の左サイドでスタートし、選手交代に伴って右サイドへスライドしましたが、アラベスとのアウェイゲームとなったこの試合ではトップ下で起用されました。監督の期待の大きさはもちろんですが、チーム内での序列が高いことがうかがえました。