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長谷部誠37歳の“スピード不足”を現地紙は指摘するが… 「落ちている部分はない」高い知性とスキルなら今季も期待大
posted2021/09/01 11:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
長谷部誠にとってフランクフルトでの8シーズン目がスタートしている。ブンデスリーガ通算出場342試合、ドイツカップ出場27試合、チャンピオンズリーグ出場6試合、ヨーロッパリーグ出場30試合。驚異的な数字を残している大ベテランの情熱は今も枯れることなく、今季スタートに向けて周到な準備を積んできた。
「厳しいトレーニングを積んでいる。コンディションもいい。チームとして新しい選手も来て、監督も新しい。いろんな変化があるなか意欲的にやっている。カップ戦やヨーロッパリーグ、リーグ戦と試合数も多い中で、自分にも多くのチャンスがくると思う。チームのために頑張りたい」
8月4日に行われたリモートによる記者会見で、長谷部はそんな風に答えていた。
CL出場権獲得目前で見舞われた監督人事のドタバタ劇
毎シーズン序盤は《チームの基盤がどのように構築されるべきか》が見定められる時期だ。移籍で出ていく選手がいて、加入する選手がいる。新監督がくれば戦い方に変化がもたらされ、チーム内における序列に変化が起こることもある。
ブンデスリーガは2020-21シーズンの上位8チーム中7チームで監督の人事異動があり、フランクフルトもその渦中にいた。アドルフ・ヒュッター監督がボルシアMGへと移り、ヴォルフスブルク前監督のオリバー・グラスナーが新監督として就任したのだ。
昨季の5位フィニッシュという成績について、首脳陣は「クラブ史上最高の成績」とポジティブに語ってはいる。しかしチャンピオンズリーグ出場権獲得まであと少しというところまで迫りながら、終盤失速しての5位だった。それが今回の監督交代のドタバタと全く無関係ではなかっただけに、ファンの失望は小さくはなかった。
「若い選手が良さを出せるよう、サポートしながら」
ヴォルフスブルクをCL出場へ導いたグラスナー監督の就任は、チームをさらに成長させる契機となるだろうか。ファンは注意深くその動向を見守っているようだ。
プレシーズンにおけるグラスナー監督について、長谷部は次のように印象を語っている。