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開幕から1カ月全3試合に出場…“久保建英のマジョルカ序列はどうなっている?”パーソナルコーチが徹底解説する
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/09/01 17:01
マジョルカへの期限付き移籍が発表された3日後に、ベティス戦で「再デビュー」を果たした久保建英
本人からすれば、得点やアシストといった数字を残したいでしょう。ただ、何よりも大切なのはチームの結果です。ボールを簡単に失わず、いいポジションを取っている味方選手をしっかりと使う久保のプレーは、同じ昇格組のエスパニョールを1対0で下すことにつながっていました。2試合連続で終盤までピッチに立った事実は、監督からの信頼と読み取れるでしょう。
また、ピッチを去る久保には地元サポーターから盛大な拍手が送られ、少年ファンからユニフォームをねだられました。振り返ればアウェイのアラベス戦でも、相手チームの少年ファンからユニフォームを求められ、プレゼントをしています。サッカーへの理解が深く、目の肥えたスペインの人々に評価され、子どもたちの憧れの対象となっているところに、現在の充実ぶりがうかがえます。
久保のパフォーマンスに驚きはありませんが、マジョルカには率直に驚かされました。一昨シーズンと違うチームになっているからです。ボールを保持しようという狙いがうかがえ、ディフェンスの対応もしっかりしている。
そう考えると、一昨シーズンより攻撃に力を注げる時間が増えるかもしれません。もちろん対戦相手によって変わってきますが、久保の特徴が発揮される環境があると言えそうです。
最終予選、厳しい状況で真価を発揮できるか?
エスパニョール戦を終えた久保は、日本代表に合流しました。代表ウィーク明けのリーグ戦は、9月11日のアスレティック・ビルバオ戦です。当初は現地時間13日のナイトゲームでしたが、11日のナイトゲームに変更されました。
中国戦が行われるカタールからチームに戻る久保には、厳しい変更と言えるかもしれません。それでも、与えられた環境のなかでベストを尽くす。チームにとって重要な試合で結果を残す。厳しい状況で真価を発揮する──そういったことを、久保は自らに課しているはずです。いいスタートを切ったマジョルカでのパフォーマンスを日本代表に持ち込み、それをまたマジョルカでのプレーにつなげていく、と期待しています。