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「アメリカにひと泡ふかせたい」女子バスケ銀で蘇った23年前の言葉…萩原美樹子が語る日本代表のアイデンティティとは? 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2021/08/25 17:01

「アメリカにひと泡ふかせたい」女子バスケ銀で蘇った23年前の言葉…萩原美樹子が語る日本代表のアイデンティティとは?<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

アメリカ代表と決勝戦を戦ったバスケットボール女子日本代表。先駆者・萩原美樹子に激闘を振り返ってもらった

 そのほか、ホーバスの前に代表のヘッドコーチだった内海知秀や中川文一と比べたときに、ホーバスのやり方は具体的にどんなところが違ったのだろうか。

 萩原は、内海とホーバスの一番の違いは、ポストに1人置くかどうかだと言う。

「内海さんと明らかに違ったのは、ストレッチ4(インサイドに1人置き、残り4選手を外に配置)ではなく5アウト(5人全員がアウトサイドに配置)にしたところ。内海さんは、サイズがある選手を好み、渡嘉敷(来夢)がいてもいなくても、インサイドに絶対1人置く戦術を好む傾向がありました。トム(ホーバス)もはじめはストレッチ4でやっていたところもあったけれど、今回に関していえば、完全に5アウト。高田真希も外に置いてってやっていたのは、内海さんとは違う」

 中川の場合は、今から思うと5アウトに近いやり方だった。

「中川さんはドライブキックとか3ポイントシュートを強調していて、5アウトに近かった。でも、あまりオフェンスのアラインメントみたいな部分に深く言及はしなかった」

 さらにもうひとつ、中川や内海とホーバスの違いは、選手の役割をどこまで徹底するかだという。

「中川さんのときは、どっちかというと『みんな、オールラウンドにプレーしなさい』みたいな感じだった。トムは5アウトに特化して、きちんとスペースを整えて、選手1人1人の役割を明確に与えていた。それが中川さんや、(その後の)内海さんとも違いますね」

 今回のチームも、傍から見ると選手たちが判断して自由にプレーしているようにも見えたが、実際はそう見えるようになるまでの精密な作り込みがあってこそのやり方だったのだと萩原は言う。

「スイッチされたときはスピードのミスマッチを生かして。そこから合わせて、ある程度ルールに沿った動きっていうのが出てくるんだと思います。そういう部分で比較的自由に見えているかな。それでも、トムは役割をしなければ怒るし、役割以外のことをしても怒る。かなり精密に作りこんでいるっていうのはあるんじゃないでしょうか」

【次ページ】 「あの思いを体現してくれた」

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