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「アメリカにひと泡ふかせたい」女子バスケ銀で蘇った23年前の言葉…萩原美樹子が語る日本代表のアイデンティティとは?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2021/08/25 17:01
アメリカ代表と決勝戦を戦ったバスケットボール女子日本代表。先駆者・萩原美樹子に激闘を振り返ってもらった
年月が過ぎ、メンバーが入れ替わっても変わらない日本のアイデンティティがあり、それを基盤にして、選手や時代に合う戦術に修正していく。それはある意味、代表チームとしてのあり方の理想のように思える。そんなカルチャーを、女子代表は長年かけて作ってきた。そして、それが東京オリンピックで花開いた。
「私たち(アトランタ五輪チーム)は、メダルを取るチームというよりは、アメリカ、ブラジル、中国、ロシアといったチームが強く、その下に団子になっているところにかろうじて入っていて……みたいな感じでした。上を狙おうと思えば狙えるな、くらいの位置。今回、東京オリンピックでは、堂々とヨーロッパの強豪を下して、メダルマッチに進んでいった」
決勝トーナメントではヨーロッパの強豪、ベルギーとフランスに連勝。フランスには予選ラウンドで勝ち、準決勝で勝ち、2連勝している。ベルギーとは大会では1回対戦しただけだが、大会前の強化試合を考えると連勝だ。
「それは、本当に地力がついたということの証明だと思うんですね。これだけの短い期間で強豪チームに2回勝ちきるっていうのは、力が本物だったということだと思う。そのうえで、決勝戦でアメリカを本気にさせたっていうのは、私個人で言えば、マーキュリーを去るときのあの思いを体現してくれたっていうこと。本当にそういう感慨に繋がりますね」
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