甲子園の風BACK NUMBER
プロスカウト「大阪大会から気になっていた」大阪桐蔭の迫力不足 打力や試合勘ではない“もう1つの武器の異変”
text by
間淳Jun Aida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/08/24 11:03
15年ぶり2回戦敗退となった大阪桐蔭。西谷監督は敗戦を自らの責任とした
西谷監督が試合後に話していたこと
実戦で強化したり、確かめたりすることはたくさんある。その中でも、走塁は特に重要になる。日々のノックで走者をつけて練習するのは、守備も走塁も試合の感覚に近づけるためだ。そして、わずかな差を生む状況判断や感覚は試合を重ねて培われると指摘する。
「相手投手のビデオを見ても試合勘は補えない。研究は準備であって、実際にグラウンドに立って感じるものとは違いがある。8回の大阪桐蔭の攻撃は、近江とすれば勝ち越しの走者を二塁には行かせたくない。盗塁を許さないように一般的には直球が多くなる。特に近江の岩佐(直哉)投手は140キロ台中盤から後半の直球を武器にしている。それでも変化球を続けたのは、一塁走者を過度に警戒しておらず、仮に走られても刺せると思っていたからではないか」
大阪桐蔭の西谷監督は、試合後にこう話した。
「足を絡めて何とかしたいと思ったができなかった。選手たちの頑張りを監督がうまく導いてあげられなかった」
長打力だけでは全国の頂点には立てないと痛感する黒星。打力と走力がそろってこそ、横綱相撲を取れる。
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