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「日本ハムの“新球場”建設中というけれど…」北海道の“ナゾの新スタジアム駅”北広島駅には何がある? 広島県との深い関係とは…
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri
posted2021/09/06 11:00
日本ハムの新スタジアムを建設中(2023年完成予定)…北海道のJR北広島駅には何がある?
「札幌ドームの使用料」問題
寒地稲作発祥地として長く農村に過ぎなかった北の大地の広島は、1970年代以降住宅団地が相次いで建設されてベッドタウン化が進んでいった。さらに国道沿いには工業団地も進出。空の玄関口と道都のおおよそ中間という地の利ということなのだろう。市の人口は1970年の約1万人から2010年には約6万人まで増えた。そしてそんな北の広島に、“世界がまだ見ぬボールパーク”が作られることになったのである。
日本ハムが札幌ドームを出て北広島に移転することになった経緯はそれなりにややこしい。大まかに説明すると、札幌ドームの使用料などがネックとなって自ら運営するスタジアムの新設を検討。これに北広島市がいち早く手を上げて、札幌市側が残留を求めて交渉したものの、結局北広島に新球場を建設することが決まった、というものだ。
北広島の新スタジアムは、北広島駅の北側、きたひろしま総合運動公園内に建設中。ネーミングライツによってエスコンフィールドHOKKAIDOとして開場する予定だ。JR千歳線の車窓からは、建設中のスタジアムの様子を見ることができる。北広島の駅からは少々離れているが、将来的には(スタジアムに近い)新駅もできる予定だとか。となれば、道外から遠征してくる人にとっては電車で1本、デーゲームなら日帰りもできる便利なスタジアムになる。それでいて、札幌の隣町だから札幌市民にとっても不便というほどではない。そこに“世界がまだ見ぬボールパーク”ができるのだから、それは期待せずにはいられない。
広島県人が移住したことに歴史がはじまる北広島に、ファイターズの新スタジアム。阪神ファンの筆者にすれば、ファイターズvs.カープの交流戦や日本シリーズはあまり関心がなかった。が、北広島に移転すればまさしく広島ダービー。広島の誇りを胸に戦う試合になるのだろうか。いずれにしても、目下の最大の懸案は、北広島への移転を控える日本ハムファイターズが低迷していることである。
(写真=鼠入昌史)