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「日本ハムの“新球場”建設中というけれど…」北海道の“ナゾの新スタジアム駅”北広島駅には何がある? 広島県との深い関係とは…
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri
posted2021/09/06 11:00
日本ハムの新スタジアムを建設中(2023年完成予定)…北海道のJR北広島駅には何がある?
すると、線路の反対側(つまり北広島駅の西側)には巨大なマンションがいくつも並んでいるのが見える。札幌から約15分という北広島は、ベッドタウンになっているのだろう。サイクリングを楽しむガチ勢に混じって、公園で遊ぶ親子連れの姿もあった。なんとものどかで、それでいて大都市・札幌に近いという北広島。住みやすい街のようだ。
線路沿いのサイクリングロードをしばらく歩いていくと、北広島市役所が見えてくる。ずいぶん真新しい市庁舎の壁には「世界がまだ見ぬボールパークをつくろう。」の垂れ幕がぶら下がっていた。もう北広島は町を挙げて新スタジアムの完成を待ち望んでいるのだ。市役所前のJRのガードの遠く向こうには、スタジアム建設現場のクレーンが生えているのがちらりと見える。
北広島の市街地は、この市役所周辺に広がっているようだ。といっても、歓楽街があるような市街地というよりは、ロードサイド型のショップがいくつかあるタイプの、つまりは郊外タイプの市街地だ。その片隅にあったバス停に近づいてみると、「広島市街」とある。これだけ見れば八丁堀か紙屋町かそれとも流川かと勘違いしてしまいそうだが、空がここまで開けているのは北海道ならではの光景。広島は広島でも、明らかに北広島はまったく異なる雰囲気を持つ街である。
なぜ地名が「北広島」なのか? 約140年前に来た“広島県人”
ところで、どうして北海道に「北広島」を名乗る町があるのだろうか。少し歴史の旅をしてみることにしよう。