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西武ライオンズ前身球団の“消えたスタジアム”…23年前に解体&福岡市にあった「平和台球場」、今は何がある?

posted2021/06/27 11:03

 
西武ライオンズ前身球団の“消えたスタジアム”…23年前に解体&福岡市にあった「平和台球場」、今は何がある?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

平和台球場で行われた1990年プロ野球オールスター第2戦。落合博満(中日)が野茂英雄(近鉄)からホームランのシーン

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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Sankei Shimbun

 福岡の人に「福岡って野球どころなんですよ」と言われたことがある。野球どころというのは、少年野球チームが多いとか草野球をしているおじさんがたくさんいるとかそういうことではなくて、とにかくプロ野球ファンが多いということだそうだ。

 で、福岡の人たちがこよなく愛するのが福岡ソフトバンクホークス。百獣の王は獅子でもウサギでも鯉でもなくて鷹であることを目下証明しつつある最強球団だ。それでいて、福岡県どころか九州で唯一のプロ野球のチーム。そりゃあ、人気があるのも当たり前ですよね……。

 すると、件の福岡県人、「でもねえ、オールドファンはソフトバンクじゃないんです。やっぱり西鉄ライオンズ、ですよねえ」などとうそぶく。この方、オールドファンでもなんでもなくて30代なのが気になるが、まあとにかくそういうことなのだ。

“伝説の球団”西鉄ライオンズの「消えた野球場」

 西鉄ライオンズは福岡県で鉄道を営む西日本鉄道を親会社とする球団で、終戦直後に立ち上げたノンプロの強豪チームを母体として1951年のシーズンから参入。1956~1958年にかけては、稲尾和久や中西太といった伝説の選手たちを擁して日本シリーズ三連覇を成し遂げている。この記事は西鉄ライオンズがテーマではないのでその後はざっくり割愛するが、西鉄は1972年限りで球団を売却。それからもさらにいろいろあって、1979年からは西武ライオンズに様変わり。本拠地も福岡から遠く離れた埼玉県は所沢市に移転してしまった。

 つまり、福岡のオールドファンが今も愛してやまない西鉄ライオンズは、もはや歴史の中の伝説の球団なのだ。そして、その西鉄が本拠地球場としていたのが、平和台球場である。

 平和台球場は主である西鉄ライオンズを失った後も存在し続け、1989年からは福岡に戻ってきたプロ野球チーム・福岡ダイエーホークスの本拠地となった。が、ダイエーは1993年に新設された福岡ドームに移転し、平和台球場はまたも主を失ってしまう。そして1997年限りで球場は閉鎖され、翌年にはすっかり解体されてしまったのだ。

 そんな、今はなき福岡伝説のスタジアム。いったい今はどうなっているのか、訪ねてみることにした。

【次ページ】 「平和台球場」、今は何がある?

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