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中国は伊藤美誠を“徹底的に警戒し、研究してきた” 日本の20歳が登れば登るほど高くなった“卓球界最強国の壁”
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2021/07/30 17:07
卓球女子シングルスの3位決定戦で勝利し、銅メダルを手にした伊藤美誠。シングルスでの打倒中国はならなかったが大会はまだ続く
伊藤が登れば登るだけ、中国の壁も高くなった
そこまで中国が警戒したのは、伊藤の強さを認めているからでもある。
しばしば伝えられてきたように、2018年、中国のトップクラスの選手を倒せるようになり、中国でも存在感を高めた。
その後、確固たる地位を築いた伊藤は、コロナで1年延期になった時間も有効にいかし地力を磨いた。そのプレーの内容と成果は、出場した国際大会にも表れている。
そんな伊藤の存在があって、中国も力を上げた。せめぎ合いの中で、ほんの少し中国が上回った結果が、今大会だった。伊藤が登れば登るだけ、中国の壁も高くなった。ただ、その差は縮まっている。
まだ大会が終わったわけではない。8月1日には団体戦が始まる。
勝ち上がれば、中国と対戦する可能性が高く、そして孫とシングルスでぶつかる可能性も十分ある。
「団体戦は全勝して、いい流れを持ってきたいです」
大会全体を1つの試合とすれば、まだ中盤。
リオデジャネイロ五輪ではチーム最年少として団体戦に出場し、「ついていく感じでした」というところから5年。チームを牽引していこうという意識とともに、再び、打倒中国を期す。
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