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“函館開催”のクイーンS(12年)を制したアイムユアーズが変えた“常識”とは?〈今年は五輪で競馬場が変更に〉
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySankei Shinbun
posted2021/07/31 11:00
2013年、今年と同じく函館競馬場で開催されたクイーンSを制したアイムユアーズ
手塚師「“走る牝馬”の基準になった馬」
さて、そんなアイムユアーズについて、改めて手塚調教師に伺った事がある。「彼女は師にとってどんな馬だったのか?」と。その時の手塚調教師は次のように答えている。
「自分にとっては“走る牝馬”の基準というか、指針というか、そういう存在の馬でした。実際にその後、良い牝馬と出会うと、『アイムユアーズと比べてどうか?』とか、『アイムユアーズのようにもっていくにはどうすれば良いか?』とか、そういう感じで考えるようになりました。だから厩舎にとってはもちろん、自分にとってもなくてはならない存在の馬と言ってよいでしょう」
アイムユアーズの1つ下には桜花賞を制したアユサンがいたが、この桜花賞馬を育てるにあたっても、当然、影響があったと言う。
ユーバーレーベンにもアイムユアーズの“教え”?
そんな手塚調教師はこの春、ユーバーレーベンでオークスを優勝した。阪神ジュベナイルフィリーズに出走(3着)した際、前走比14キロ減だった体はその後、フラワーC(GII、3着)、フローラS(GII、3着)と3走連続で減り続けた。しかし、オークスでは前走比プラス8キロと盛り返した。体を増やしてクイーンSを連覇したアイムユアーズの教えが、ユーバーレーベンにも活かされたのかもしれない。
さて、今年のクイーンSではどんなドラマが待っているのか。注目したい。