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松山英樹に“巨大なアドバンテージ?” 慣れ親しんだゴルフ場で挑む東京五輪「カスミは人生が変わった場所なので」
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byShizuka Minami
posted2021/07/28 11:04
ヘッドコーチを務める丸山茂樹(中央)と言葉をかわす松山英樹、星野陸也。男子ゴルフは7月29日から4日間にわたって行われる
1929年に創設された霞ヶ関CC東コースは、2016年10月の大改修でチャンピオンシップコースへ生まれ変わり、難度は格段に高められた。
東京五輪開催に備え、5月から霞ヶ関CCに常駐してコース整備に従事している米ツアー所属の農学者、デニス・イングラム氏によれば、「カスミガセキのコース全体は米国北東部のドナルド・ロス設計コースの雰囲気。立ち並ぶ木々はペブルビーチがあるカリフォルニアのモンテレー半島の雰囲気。東コースは一見、広々しているが、バンカーはビッグでディープ(深い)。グリーンは傾斜が強く、難解だが、そこに蒸し暑さと雨の影響で試合ではソフトになる。となれば、最も求められるのは、正確なアイアンショットだ」
しかし、日本勢はアイアンショットより、むしろティショットがカギだとしている。
松山は「素晴らしいコースに仕上がっている。今まで日本で回った芝の中では、ボールが沈む(最も)タフなセッティング。フェアウエイをキープすることが大事だと思う」。星野も「ラフに入るとセカンドでチャンスに付けにくくなる。まずはティショットでセカンドが狙いやすい場所をキープして、チャンスに付いたらバーディーを獲っていきたい」。
だが、最後にモノを言うのは、やっぱり気持ちではないだろうか。
初日午前7時30分に、ベルギーのトーマス・ピーターズ、オーストリアのセップ・ストレイカとトップスタートする星野は「自信を持ってプレーしていきたい」。
そして、コロナから回復し、初日8時41分にオーストラリアのマーク・リーシュマン、カナダのコーリー・コナーズとともにティオフする松山は「昨日、初めて歩いてラウンドして、思ったより練習はできている。試合でどこまで集中できるかは、まだ想像できないけど、そこは気持ちでカバーしていきたい」。
そう、最後は気持ちだ。日本勢は気持ちで霞ヶ関のベールを拭い去り、世界が「日本のゴルフの甲子園」と呼ぶ霞ヶ関CCで、金メダル獲得を目指す。
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