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“変化球マニア”ダルビッシュ35歳目前の進化は「3種のカットボール」 解析で見える「より三振を取れるスタイル」とは 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2021/07/18 17:03

“変化球マニア”ダルビッシュ35歳目前の進化は「3種のカットボール」 解析で見える「より三振を取れるスタイル」とは<Number Web> photograph by AP/AFLO

数多くの変化球を変幻自在に操り、強打者をねじ伏せるダルビッシュ。2021年はカットボールに注目だ

 表1が示しているように、昨シーズンのメジャー全体の球種割合を見ると、一番多いのはストレート(フォーシーム)の34.2%。スライダーの17.8%、ツーシームの16.2%、チェンジアップの11.7%と続き、カットボールは6.8%しかない。この傾向は、今シーズンも今のところ変わっていない。

ダルビッシュの投球割合は“極端に高い”

 一方で、ダルビッシュの投球に占めるカットボールの割合は極端に高い。今シーズンは、ここまで全投球の約4割でストレートの2倍以上。昨シーズンはさらに顕著で、ストレート15.7%に対してカットボールは40.2%だった。

 ただ、ダルビッシュがカットボールを投球の軸にしたのは3年前からだ。メジャー移籍後しばらくは、第3、第4の球種だった。2018年はストレートが37.2%、スライダー24.2%、ツーシーム19.1%。カットボールはこれらに次ぐ12.8%と、1イニングに数球投じるアクセントの役割で、ストレートはメジャーの平均より比率が高かった。

 カットボールの位置づけが変わったのは2019年。全体の36.5%を占め、ストレートを抑えて第1の球種となった。

 ダルビッシュのカットボールの特徴は、空振りを取れることにある。カットボールは一般的に、ストレートに近い速度で小さく変化させてバットの芯を外す球種。ファウルや内野ゴロを狙うのに有効とされる。ところが、ダルビッシュは昨シーズン、カットボールでメジャー平均の23%を上回る26%の空振り率を記録している。

「変化が違う3種類のカットボール」とは

 高い空振り率を生み出している要因が変化の大きさだ。野球のデータを解析している「ネクストベース」のトップアナリスト・森本崚太氏は「ダルビッシュ選手が何種類のカットボールを投げ分けているのか分からないが、主に変化の違う3種類のカットボールがある」と分析する。

【次ページ】 有原のカットボールと比べてみると……

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