“変化球マニア”ダルビッシュ35歳目前の進化は「3種のカットボール」 解析で見える「より三振を取れるスタイル」とは

　飽くなき探究心も進化を続ける理由であろう。パドレスのダルビッシュ有は来月35歳を迎える。一般的には現役引退が頭をよぎる年齢であり、球威の衰えなどから投球スタイルの変化に生き残りを見出す投手も多い。だが、昨シーズンと今シーズンのダルビッシュは「キャリア最高」と評され、サイ・ヤング賞を争う地位を築いている。

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「一番得意」とするカットボールの進化

　トレーニングや食事、ダルビッシュが野球につながる1つ1つの行動に強いこだわりがあるのは知られている。特に、変化球への好奇心や向上心はメジャーの投手たちも驚くほど。ダルビッシュは過去に「野球が好きなのではなく、変化球が好き」、「自分はたまたま150キロのストレートを投げられる変化球投手」と発言するほど、自他ともに認める"変化球マニア"なのだ。

　ダルビッシュが操る変化球は7色では収まらず、10種とも11種とも言われている。その中でも「一番得意」と話すのがカットボールだ。この2年間の進化はカットボール抜きには語れない。

　カットボールと言えば、かつてはヤンキースの守護神マリアノ・リベラが150キロを超える高速カッターでセーブを積み上げた。投球の9割がカットボールでありながら、空振りを奪い、バットをへし折った。ブルージェイズとフィリーズで活躍し、松井秀喜氏の天敵と呼ばれたロイ・ハラデーはカットボールとシンカーの2つで投球を組み立てた。

メジャーで実は“マイナー”な変化球？

　こうした偉大な投手の中には、カットボールを武器とした投手もおり、メジャーの投手はボールを動かす印象が強い。

　だが、実はカットボールは"マイナー"な変化球だ。

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