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「料理作りともうひとつ楽しみは…」鎌田大地が明かす、フランクフルトで“タフに結果を出せた”ワケ《年間5ゴール、12アシスト》
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byYuki Suenaga
posted2021/07/13 17:02
一連の代表での活動をこなし、ドイツに戻る前にインタビューに応じた鎌田
信頼を得ていく感触は確かにあった
結果を出すから、チームメイトの信頼が高まる。
信頼を得るから、ボールが集まってくる。そしてまた結果を出して──。このサイクルを積み重ねた先に、15スコアポイントの突破があったのだ。
信頼を得ていく感触は確かにあった。
「ほかの選手がボールを持ったときに、僕と(フィリップ・)コスティッチの2人にうまくつけろというのは常に言ってくれていたし、僕がボールを触れる回数や、ボールを持ったときにちゃんと動き出してくれる頻度は以前と比べてもかなり上がった。信頼はある程度得ることができたかなとは思います。相手が嫌だなって思うところにクロスを上げると、チームメイトがそこにいてくれる。特に喋っているわけではないけど、チャンスになるところが周りと理解できている感じ」
5ゴールの内訳を見ていくと、バイエルン、RBライプツィヒ、ドルトムント、ヴォルフスブルクと上位チームから獲っているのが興味深い。
「上位のチームに対してはカウンターで、スペースが空いていたりするんで、自分の触りたいところでボールを持つことができるというのはあるかもしれない」と分析する。
「結構スーパーだった」と語ったアシストシーン
豪快にというよりは、きっちりゴールの枠に入れていくシュートが多い。
「ミドルとか豪快なシュートとかは打てないので、常にゴールに入れるとなったら、ペナ近辺で触ってないと僕は難しいのかなとは思う」と言葉を続ける。
自分の「結果」を淡々と振り返りながらも、「結構スーパーだった」と語ったアシストシーンがある。昨年11月28日の第9節ウニオン・ベルリン戦だ。0-2で迎えた前半27分にペナ右前からGKの届かない絶妙な位置に出すパスでアンドレ・シウバのゴールを呼び込むと、後半34分には裏に抜け出してから相手を外し、併走するバス・ドストにラストパスを送った。いずれもなかなかの難度である。
「いいアシストだったと思います、シンプルに。2つとも自分の思っているとおりにできたし、簡単なアシストじゃなかったので」