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メッシ18歳での代表デビュー戦は1分で“一発レッド” 元主将ソリン「感情を爆発させて…あの時の様子は忘れられないね」
posted2021/07/14 11:00
text by
栗田シメイShimei Kurita
photograph by
Simei Kurita
無造作にまとめられた長髪、伸び切った髭を蓄えたワイルドな風貌とは裏腹に、発せられる言葉は論理的で時に詩的ですらあった。
ラテン気質から対極にあるような物静かな語り口調で話す男の名を、ファン・パブロ・ソリンという。
18歳でアルゼンチン代表デビューした後に、76のキャップ数を積み重ねてきた。元アルゼンチン代表として2002年W杯に出場、2006年W杯では主将を務めるなど、豊富な運動量を武器に左サイドバックを主戦場にしてきた名手である。クラブでもバルセロナやパリ・サンジェルマンなど実に7カ国のビッグクラブでプレー。現在は、ブエノスアイレスに拠点を置き、解説者やコメンテーターとして人気を博している。
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そんなソリンへのオンラインインタビューを実施した。自身が考える現代のサイドバック論や、名サイドバックの条件、またコパ・アメリカに参戦中の母国アルゼンチン代表にまで話しは及んだ。前編では現役時代のアルゼンチン代表と現代表の違い、若かりし頃のリオネル・メッシやファン・ロマン・リケルメ、ディエゴ・フォルランら世界的名手との秘話を中心にお届けする。(全2回の#1/#2へ続く)
◇◇◇
――開催中(※取材は6月下旬)のコパ・アメリカをどう見ていますか?
まずは無事大会が開催されたことを喜んでいるよ。戦力的にもサッカーの質的にも、アルゼンチンとブラジルは他の国よりも少し抜けているように思う。
――近年のアルゼンチン代表は少し評価を落としている気もしますが。
コパに関しては、ブラジルが最も王者に近い位置にはいるとは感じている。チームのバランスがいいし、何より開催国というのは大きなアドバンテージだ。本音でいうなら、アルゼンチンに優勝してもらいたいが、ブラジルも強いだろうね。私自身はコパ・アメリカで優勝して、強いアルゼンチン代表が戻ってきてくれることを期待しているよ(笑)。
――過去の代表にはディエゴ・シメオネやハビエル・サネッティ、ハビエル・マスチェラーノにあなたのような強烈な個性を持つリーダーがいました。現在の代表はどうですか?
難しい質問だね(笑)。それでも現代表ではレオ(メッシ)が引っ張っていっていることは間違いない。レオは強烈なリーダーシップを進んで発揮するというタイプではないかもしれない。ただ彼には彼の色があるし、プレーでチームを引っ張っているという印象を受けている。
2006年W杯主将が見たメッシ
――メッシにとって初のW杯となった06年のチームでは、あなたは主将としてチームをまとめていました。
2005年のハンガリー戦がレオにとって代表デビュー戦だった。あの試合、わずか1分でレッドカードを貰ってしまい批判を受けた。レオも落ち込んでいたが、私は彼の頭にキスをして、『気にするな。次がある』と声をかけたんだ。試合後のロッカールームでも、悔しさから感情を爆発させていた。あの時のレオの様子は忘れられないね。その悔しさを翌年のW杯にぶつけ、彼にとっての初戦となったセルビア戦はゴールを決め、6-0の勝利に貢献したんだ。