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「料理作りともうひとつ楽しみは…」鎌田大地が明かす、フランクフルトで“タフに結果を出せた”ワケ《年間5ゴール、12アシスト》
posted2021/07/13 17:02
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Yuki Suenaga
どう受け止めるかは、人それぞれである。
2020~21年シーズン、ブンデスリーガ全34試合のうち32試合に出場して先発は28。レギュラーとして1年間フルに働いてきた十分な「証」だと言えるが、鎌田大地の反応は想像していたものと違った。
「6試合でスタメンじゃないと考えると、平均すれば5、6試合に1回はベンチってことになりますよね。前線は(アンドレ・)シウバが確実に試合に出ていて、その下の2枚は冬にルカ・ヨビッチが入ってきてアミン・ユネスと僕の3人で争っていたという感じなんで。自分が1試合でも良くなければすぐに替えられる。そういう部分では毎試合結果を残さないとダメだと思っていましたから」
「これ以上の結果を残すのは難しいんじゃないか」
日本代表での活動を終え、短いオフも終盤に入っていた。リラックスした表情ながら、シーズンを振り返ると当時を思い出してシュッとした顔つきになる。
満足はしていない。ただ一方で緊張感のあるポジション争いを通じて結果を残してきたという自負はしっかりとある。シーズン前、スコアポイント(ゴールとアシストの合計数)の目標を「15」に自ら設定。5ゴール、12アシストでクリアした。前年と比べても大きくジャンプアップしている。
それでも、と鎌田は言う。
「欧州トップの選手からすると多い数字ではないと思うんです。ただ僕が欧州でプレーするにあたって15スコアポイントくらいは毎年達成していきたい数字。得点数をもう少し伸ばせたら、自分のなかではパーフェクトだったかなとは思います。チームとしても欧州CL出場は獲れなかったですけど、EL出場権を得られる5位で終われて勝ち点60は3ポイント制になってクラブ最多。自分としてもフランクフルトでこれ以上の結果を残すのは難しいんじゃないかと思えるくらいのシーズンであったのは間違いないです。
結果は残しているけど外されてしまった試合もある。もちろんシーズンは長いので自分がずっといいわけではないし、良くないときだってある。結果を残さないと次出られないからメンタル的にもしっかり1シーズン通して戦えたのかなとは思いますね」
波がない。
コンディションもパフォーマンスも。強豪フランクフルトで結果を残し続けたから、「全部は出られなかった」と高い次元での課題が口をつく。