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遠藤渓太&原口元気のウニオン、戦術は“ハリル型っぽい”? 日本代表が“W杯で格上に勝つ”ため参考になるスタイルとは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images/JMPA
posted2021/07/12 06:00
遠藤渓太と原口元気。2人の日本人アタッカーとウニオンの戦いぶりに、新シーズンは注目したい
前線にスペースを空ける2つのパターン
自分たちが素早い攻撃でゴールに迫るために、前線にスペースを空ける。
そこにウニオンの攻撃の最大の特長がある。では、具体的にどうするのか。2つのパターンがある。
<パターン1:守備時のカウンター>
これは守備の特長とも連動しているところで、想像しやすいだろう。守備ラインを下げれば、相手は前がかりになって攻撃をしかけてくる。そうなれば、ウニオンがボールを奪えば、相手の背後には広大なスペースがある。
そして、ボールを奪ったときに、前方へ一気に出て行く。
<パターン2:相手のハイプレスを誘う、丁寧なビルドアップ>
「ウニオン=守備的」というイメージは間違っていない。ただ、その一方でウニオンの試合を見た多くの人がこんな印象を抱くはずである。
「ウニオンには足元の技術がある選手が意外と多いね」
「ウニオンがあんなに丁寧にビルドアップをしていくんだ」
ゴールキーパーから丁寧にパスをつないでいくから、相手はボールを奪おうとハイプレスに来るのだが、それをかなりの確率でかわすのだ。
もっとも多いのが、リベロの両脇にいるサイドのCBとウイングバックとが角度と距離に気を配りながら繰り出すワンツーパス。それによって面白いようにマークをはがしていく。そこからプレスの第一波と第二波をかわした攻撃陣が、一気にゴールに迫る。
相手がハイプレスをかけに来ている――ということは、相手DFラインの背後、ウニオンにとっての前線に大きなスペースが広がっていることを意味するのだ。
ただし、戦い方は臨機応変である。
遠藤がインタビューで語っていたこと
バイエルン、ドルトムント、RBライプツィヒなど強豪との対戦時、およびアウェーなどで劣勢が予想されるときには、最初からカウンター攻撃にほぼ専念する。あえて4バックの4-5-1にして、危険なビルドアップは廃し、攻撃は1トップと両サイドのMF2人の計3人で完了させる形が多い。昨シーズン後半戦で出番を増やした遠藤がバイエルン戦やドルトムント戦でスタメンだったのもそれゆえだ。
遠藤は5月の本サイトの筆者インタビューでもこう語っているほどだ。