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遠藤渓太がウニオン完全移籍も“ハッピーではない”と語る理由 「F・マリノスでプロ1、2年目に戻ったような感覚なんです」

posted2021/05/21 06:01

 
遠藤渓太がウニオン完全移籍も“ハッピーではない”と語る理由 「F・マリノスでプロ1、2年目に戻ったような感覚なんです」<Number Web> photograph by Getty Images

ウニオン・ベルリンへの完全移籍を勝ち取った遠藤渓太は東京五輪を前にしてこの移籍をどう捉えているのだろう

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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 遠藤渓太が、ドイツに渡って初めて、日の丸のユニフォームに袖を通すことになった。

 Jリーグでプレーする選手が招集できず、今シーズンを海外クラブでプレーしてきた選手だけで構成される5月28日のミャンマー戦のA代表のメンバーと、東京オリンピックに向け6月に行われるU-24日本代表戦の2試合のメンバーに選ばれたのだ。

 横浜F・マリノスでJリーグ王者になった翌年、遠藤がウニオン・ベルリンへ移籍したのが2020年7月のこと。日本人がヨーロッパへ移籍するケースは増えたし、移籍する選手の低年齢化も進んでいる。ただ、その大半はUEFAのランキングでは3位と4位を行き来するブンデスリーガよりも下位のリーグへの移籍だ。

 日本人選手がJクラブから5大リーグの一つであるブンデスリーガの1部のクラブへ直接移籍する機会はむしろ、減っている。ドイツ1部に直接移籍するのは、2017年の鎌田大地以来、3年ぶりだった。

 そして、最初の1年間のレンタル移籍期間での戦いぶりを評価された遠藤は、4月には完全移籍の権利を勝ち取った。だからきっと、幸せをかみしめているはず。そんな予想から、移籍後初めてとなる日本メディア向けインタビューは始まった。

*このインタビューは5月20日の代表メンバー発表記者会見の前に行なわれた。

試合に出られなかったのを怪我のせいにしたくない

――8月のプレシーズンマッチでケガしてしまうアクシデントはありましたが、11月7日のビーレフェルト戦では初スタメンで、初ゴール。最高のアピールをしたかに見えたのですが、前半20分に負傷交代を余儀なくされました。心理的なダメージが大きかったのでは?

「開始3分でゴールを決めましたけど、あの1点で終わるつもりはありませんでした。『この試合で、自分の力をどこまで出し切れるのか』と意識してプレーしていたのに、また、ケガをしてしまった。あれは本当に悔しかったですね……」

――1カ月後にはベンチ入りするなど、大きな怪我ではなかったことが幸いでしたね。

「でも、ケガから復帰して、すぐに試合で使われる選手もいます。僕はそこまでの信頼を勝ち得ていなかったから、復帰してからもしばらくは試合に出る機会が多くなかった。そこは怪我のせいにはしたくなかったですし、その考えは今も変わりません」

 ケガから復帰したあと、昨年リーグ最後の試合となった12月18日のドルトムント戦では後半途中から24分間プレーして格上相手からの勝利に貢献した。

 ところが、新年を迎えてもベンチを温める時間が長く、3試合連続出番なしで終わったこともあった。プレータイムを与えられたとしても10分にも満たない状況が続いた。

「連戦もあったし、チャンスが回ってくると思っていたんですけどね。悔しかったし、監督と話すこともありました」

マリノス時代にも似たような経験をしたから

――加入1年目で出番が得られない試合が続くと、やる気や自信を失う選手が少なくありません。そうならなかったのは何故でしょう?

【次ページ】 8番で結果を出さないといけない覚悟

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