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狩野舞子が挙げるバレー日本代表のキーマン、男子は石川祐希…では女子は? メダル獲得へ向けて重要なのは「ともに2戦目」《短期連載スタート》 

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狩野舞子

狩野舞子Maiko Kano

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posted2021/07/22 11:05

狩野舞子が挙げるバレー日本代表のキーマン、男子は石川祐希…では女子は? メダル獲得へ向けて重要なのは「ともに2戦目」《短期連載スタート》<Number Web> photograph by FIVB

男女それぞれ12名でオリンピックに挑むバレーボール日本代表。メダル獲得へ向けて、最終準備に着手している

 男子の12人を見た時、率直に感じたのは五輪の1年延期で明暗が分かれた、ということです。“もしも”を言っても意味はないですが、もし東京五輪が昨年行われていたらメンバーも違っただろうな、と。

 特に昨年、一昨年まではチームの中で精神的支柱であった柳田将洋選手、福澤達哉選手が外れてしまったのは驚きましたが、同時に感じたのはピークを持ってくることの難しさ。そして、この大事な場面でしっかりアピールできた選手が選ばれたということ。本当にシビアな選考の末に選ばれた12人だと思います。

高梨、大塚、高橋「本当にすごい」

 新戦力という面で言えば、アウトサイドヒッターの高梨健太選手、大塚達宣選手、高橋藍選手。3選手ともネーションズリーグが初めての海外勢との試合で長期遠征であったにも関わらず、あれだけの結果を残せたのが本当にすごい。

 自分と比べて恐縮ですが、私が日本代表に選ばれた初めての海外遠征では「何もできなかった」という記憶しかありません。どんな相手にも物怖じせず、自分の長所をアピールする。高梨選手はサーブも良く、攻撃力もあるとても安定した選手で、大塚選手も急にオポジットへ入っても器用にこなす。高橋選手は攻撃力だけでなく、何といっても守備力がずば抜けています。

 ネーションズリーグでもメンバーを固定する女子に対して、男子は流動的で五輪本番でもその日、調子のいい選手を起用する。見方によっては固定したほうがいいのに、と感じるかもしれませんが、裏を返せばチームとしてどんな戦い方をすべきかが明確で、誰が入ってもそれぞれ役割を果たせる能力、技術があるということ。

 石川祐希選手にお話をうかがわせていただいた際、「日本はチームで戦えば強い、全員で頑張ろうと考えられがちだけれど、最後は個人技が大事だ」と話していました。まさにその通りで、いくらコンビネーションが大事だと言ってもその前に個々の技術が高くなければ求められる質にはならない。石川選手はイタリアでプレーする中で実感しているのだと思いますが、そんな“石川イズム”がチームや他の選手にも浸透している。だから誰が出ても同じように戦えるし、見ていて面白いバレーボールができる。いい状態に仕上がってきているのではないでしょうか。

【次ページ】 キープレーヤーはもちろん……

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